羽生結弦の「決意表明」から1年…ただ真っ直ぐに、ひたすら駆け抜けた。私たち星々と共に(プロ転向1周年)

2022年7月19日の「決意表明」会見から1年
2022年7月19日の「決意表明」会見から1年。
羽生結弦は「羽生結弦という存在」と闘い続け、「羽生結弦の理想」を追い続けてきた。あの「決意表明」、私たち羽生結弦とともに歴史を作る人々は確信を以て迎えた。
羽生結弦はアスリートとして、アーティストとしての栄光――五輪2大会連続金メダル、男子シングル史上唯一のスーパースラム(五輪、世界選手権、グランプリファイナル、四大陸、世界ジュニア、ジュニアグランプリファイナル)を凌駕する結果を、この1年プロとして残してきた。いや、もう結果とかそういうレベルにない、歴史上の出来事を成し遂げてきたというべきか。つまるところ、羽生結弦のこの1年も「歴史上の出来事」ということになる。
私は当時、あの7月19日の「決意表明」について「真の芸術に引退の二文字はない」と説いた。ロシアの伝統バレエを体現したヴィクトール・ペトレンコ、そのペトレンコに憧れたエフゲニー・プルシェンコ、そしてそのプルシェンコに憧れた羽生結弦。それを「芸術のバトン」に例えた。