羽生結弦の真実を伝えるには「SNSで拡散が一番効果的」な理由…私たちは声を上げ続ける。事実を、根拠をもって、冷静に

抗議したところで、なかなか効果はでない
これまで私の在籍したスポーツ新聞社、出版社で実際に経験した「抗議」は当該編集部や会社本体への電話攻撃、メール攻撃、クライアント突撃、所轄官庁への苦情(あえてフランクに書いています)です。最後の所轄官庁云々は漫画や小説などに対する都条例に関するものなので除外しますが、まず言っておきますとこれらすべて、確たる実効性はないと考えてください。
謝罪文が出ることも稀にありますが、それだけです。「読者のことを考えてないのか!」と思うのはもっともですが、数十万部、数万部のうちのわずかな数が減ったところで痛くも痒くもない、むしろネガティブな欲求のある読者のほうがお客様、という場合には効きません。
だからこそゴシップがしぶとく続いているわけですが、むしろ社長が「訴えられて1000万円とられても億稼げたから万歳」という出版社もあります。これは海外のセレブ系ゴシップ誌と同じですね。パパラッチも時に訴えられますが、その賠償額より報酬が多ければ彼らにしたら何も問題ないわけです。まして理由があろうとなかろうと成功者が気に入らないという層は一定数いますから、彼らの側に立つ読者の人々もあります。需要も無くなりません。
「不買運動」は効果が薄いと思ってください
ちなみに読者からの苦情は落丁・乱丁などの雑誌や書籍の商品そのものの瑕疵なら編集部の対応範疇ではないので営業部や販売部へ(会社によって違うので便宜上の表記)、誤字脱字など明確な編集上のミスなら次号で訂正文(軽微な場合は電話口で指摘の感謝と謝罪のみ)ですが、編集内容に対する批判や抗議は「見解の相違」なので基本的にスルーとなります。SNSで「スルーされた!」「アクションがない!」と騒ぎになっても一過性であり、読者のごく一部であることは百戦錬磨の編集者はよくわかっています。また逆の意見の読者が支持してくれていることも営業部含め、部数を見れば一目瞭然なので「利益の出ている限り」わかって出しています。出し続けられているということは、実際に購読読者が支えている、ということになります。