新宿ゴールデン街で勝手に男性の手を握ってしまう女性の言い分…「彼女に握られた右の手の平に、嫌悪感という形で刻まれた」
「おじさんがセクハラをしてしまうのは、セクハラをされたことがないから」と分析するのは、『彼女が僕としたセックスは動画の中と完全に同じだった』(集英社)を上梓した作家の山下素童氏。新宿ゴールデン街のバーで働く山下氏は、老若男女問わずこれまで数々のセクハラ現場を目撃してきたという。
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僕の仕事はセクハラをしてしまったおじさんを店から退場させること
女性の体を勝手に触ってしまうおじさんがいる。
筆者は新宿ゴールデン街の文壇バーで週に1度だけ店番をしている。そこで年に数回、おじさんが勝手に女性の体に触れる場面に遭遇するのだ。
別に年齢で人を括る気はないのだが、しかし経験的に、他人の体に勝手に触れてしまうおじさんは50~60代の人がほとんどだ。たまたまバーで隣の席に座った初対面の女性と話をしている最中、急に肩とか腕をスキンシップのように触りはじめるのだ。
「ちょっと、勝手に触られたんだけど!最悪!」
触られた女性から、店番の僕にクレームが入る。
「勝手に触っちゃダメですよ。今日はもうお会計で」
勝手に女性の体に触れてしまったおじさんには、そんなふうに注意するようにしている。何年も前から店に通っている人だと「俺を腫れ物として扱うのか!」などと絡んできたりして厄介なこともあるのだが、そうした場合は「今日はすごい酔ってるからまた今度シラフの時に話しましょう」とお酒を理由にすると、大抵は帰ってくれる。時にはどうしようもなく喚く人も出てくるけど、そういう時は徒歩1分のところにある花園交番に電話をして警察官を呼ぶとすぐに駆けつけてくれる。
「お父さん!落ち着いて。まだお店いっぱいやってるから。今から僕と一緒にどっか飲み行こっか!」