弁護士危惧「ハトひいたら逮捕の恐怖社会」…写真入り実名報道のリンチ付き「やりすぎ」の声
ハトをひき逃げしたタクシー運転手の男性が逮捕されたという驚きのニュースが流れた。12月3日に「鳥獣保護管理法」違反の疑いで逮捕され、5日に送検、6日に釈放された。調べに対して男性は「道路は人間のものだ。よけるのはハトの方だ」などと供述したとされる。経済誌プレジデント元編集長で作家の小倉健一氏は「そこまでしてタクシー運転手を逮捕する必要があったのか」と疑問を呈す――。
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氏名、顔写真、居住地域をさらすメディアはよほどのバカ
その事件は、11月13日の午後1時ごろに起こった。
タクシーの運転手Aが、新宿区西新宿1丁目で、赤信号でタクシーを停車させていたが、青信号で急発進し、目の前の路上にいたハトの群れに突っ込んで1羽をひき殺した。目撃した女性(50代)が110番通報した。女性が近くの赤信号で停車していたAに「ハトをひきましたよね」などと声をかけたところ、Aは「ハトがよけるべきだ」などと答えたまま、走り去ったという。
逮捕されたAは、新宿署での取り調べで「ハトをひいて殺したことは間違いないが、道路は人間のものなのでよけるべきはハトだろう」と話をした。警察は立件に向けハトの解剖も行った。防犯カメラ映像などから、警察はAが信号待ちの直後に時速60キロまで急加速し、ハトの群れに突っ込んだことを確認している。逮捕容疑は「鳥獣保護法違反」だった。