松本人志が白でも黒でも「決着」までに3年“キャリア復帰は絶望的”…無罪判決まで6年を棒にふったケビン・スペイシー
松本人志氏の性加害疑惑が芸能界、ひいてはメディア業界全体を揺るがしている。元経済誌プレジデント編集長で作家の小倉健一氏は「白でも黒でも、3年間は芸能界から断絶されるだろう」とみるーー。
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松本人志騒動を「#MeToo」運動の文脈で読み解いてみる
1月8日になって、吉本興業が松本人志の活動休止を発表した。松本人志には、古くからの熱狂的なファンも多い一方で、冷ややかな見方をする人、性加害について怒りを持っている人も多い。日本においては、昨年のジャニー喜多川によるおぞましい男児性虐待事件からの文春報道の文脈で捉える人もいるが、犯罪をした人間が故人であることやタレントではないことから、少し違う流れで読み解く必要を私は感じている。
それは「#MeToo」運動だ。
「#MeToo(ハッシュタグ・ミートゥー)」運動は、性的な嫌がらせや暴行の経験を共有することによって、これらの問題の認識を高めるための国際的な運動だ。2006年にアメリカの社会活動家タラナ・バークによって始められたが、2017年に女優のアリッサ・ミラノがハリウッドのプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインに対する性的嫌がらせの告発のために、Twitter上でこのフレーズを使って呼びかけたことで、世界的な注目を集めるようになった。
アメリカで起きた「#MeToo」3つの事例
この運動が行き過ぎたのかどうかはわからないが、無罪を勝ち取ったものの、キャリアにブランクを空けられ、訴えを起こされる以前のキャリアに戻れない人もいる。その中の一人、ケビン・スペイシーという俳優が私は大好きだった。