本物の戦士は、自分としか戦わない。羽生結弦から、命がけの青年から受け取った「矜持」という生き方…『RE_PRAY』ツアー、そして「SAGA」。

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羽生結弦は間違いなく、歴史上最高のスピナー
あの日、『RE_PRAY』の衝撃が、止まらない。
羽生結弦は私の脳を、五感をまったく休ませてはくれなかった。歴史上最高のスピナーによる超絶の演舞『MEGALOVANIA』。
「歴史上最高のスピナー」
立ち位置によってその答えは様々だろう。しかし私はこう思う。そしてあの日、率直に綴った。
〈歴史の上ではエフゲニー・プルシェンコ、ステファン・ランビエールなど「スピナー」と称するに十分な選手はある。しかし羽生結弦と比べて云々ではなく、フィギュアスケートの歴史という命題において羽生結弦は間違いなく、歴史上最高のスピナーである。それはまぎれもない事実だ〉
羽生結弦のエッジはときにつぶやいたり、ときに語ったり、ときに叫んだり
比べる愚かさでなく、比較としての「スピナー」、その比較の先は誰それという話でなく比較の対象は「フィギュアスケートの歴史」そのものである。