俺が本家のムサコだ!浸水の武蔵小杉vs破格の小金井vs爆開発の小山「3つのタワマン街」どこが一番住みにくい!?
実務経験からくるリアルな情報の豊富さと、独自の視点からの分析に定評のある不動産評論家の牧野知弘氏。今回は「タワマン文学」でも話題の「ムサコ」事情に切り込んでいただいた。牧野氏には良いところを中心に語ってもらうが、そこから見えてくる、住みにくい街とは……!?
人気が高まりつつある3つの「ムサコ」
以前から首都圏で「ムサコ」の愛称で呼ばれる街といえば、どこを指すのかという議論があります。「タワマンの街」とも呼ばれる武蔵小杉はあまりに有名な街になりましたが、都内には別に2か所、「ムサコ」と呼ばれる街があります。巨大なアーケード商店街が展開される東急目黒線の武蔵小山と、JR中央線で三鷹よりも西、立川の手前に位置する武蔵小金井です。
もっとも地元住民に聞きますと、武蔵小杉は昔から「コスギ」であり、武蔵小山については「コヤマ」と呼ばれ、武蔵小金井もまさに「コガネイ」であって「ムサコ」などとは呼ばない、そうした呼び方は新住民やメディアなどがもて囃(はや)しているにすぎない、とも言われます。
本稿では、この3つのムサコの特徴を、独断と偏見も織り交ぜながらご紹介してまいりましょう。
交通の利便性と街の発展性なら武蔵小杉
まずはSUUMO「住みたい街ランキング」関東地区でも近年、上位(2022年は第14位)にランクインされるようになった神奈川県川崎市の武蔵小杉です。武蔵小杉駅は東急東横線、東急目黒線、JR南武線、JR横須賀線、JR湘南新宿ラインの2社5路線が乗り入れる一大ターミナル駅です。この駅からは東急線で渋谷や目黒、JRで立川、品川、東京、新宿といった東京の主要な街にアクセスできます。ちなみに武蔵小杉は駅名であって地名ではありません。