「胃からザル一杯の人骨」今も年間14人を殺傷するヒグマとの戦い…殺戮兵器OSO18はまだ捕まっていない
1年間でヒグマに襲撃されて14人が殺傷されている─映画の話や大昔の話ではない。現実の、それも北海道での話である。体重が300キロを超えるという巨大グマ「OSO18」はまだ捕まっていないし、ハンターの減少もあって年々、被害は増えているという。改めて、北海道でのヒグマ被害の歴史を振り返り、野生動物の恐ろしさと共生の仕方について考えてみたい。
8名を食い散らかした、日本史上最大の悲劇「三毛別羆事件」とは
北海道における2021年のヒグマ捕獲頭数が、過去最多の1056頭となった。統計開始以来、初めて1000頭を超える数字である。すでに14人が殺傷されており、農業被害額も2億6000万円にのぼる。いずれも、過去最悪のスコアだという。
これを受けて専門家などによる検討会は、2023年から4年間、狩猟期間外にクマ捕獲許可を出す”春期管理捕獲”の実施を決定した。もともと、ヒグマは害獣に指定されており、これまでにいくつもの凄惨な事件を引き起こしてきた。中でも知られているのが、史上最悪と言われる「三毛別羆(ひぐま)事件」である。
三毛別羆事件は、1915年12月に発生した熊害である。場所は北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢。被害を加えた熊はエゾヒグマで体重は約340㎏、体長は約2.7mとも言われる。その巨大熊が民家を襲撃し、女性や子どもを含めた8名を殺害した。
事件の流れは以下の通りだ。