【緊急食レポ】世界初の人工フォアグラ肉は実家の味噌の味がした…

限定発売の植物性培養フォアグラバーガーを試食
海の向こうのアメリカでは、代替肉パティを使った植物性バーガーがすごく流行っているそうだが、人間が作った肉モドキはどれくらいウマいのだろうか。この素朴な疑問を解決するため、アメリカで人気があるWAYBACK BURGERS(ウェイバックバーガーズ)の表参道店で完全植物性バーガー「NEXTフォアグラバーガー」1800円(税込み、8月末までの限定販売)を食ってみたぞ。
「WAYBACK BURGERS」は、1991年にデラウェア州ニューアークで創業したハンバーガーチェーン。昔ながらのノスタルジックな味がウリなのだが、一方でアジア地域ではニッポンのネクストミーツ株式会社やDr. Foods社と提携して、代替肉を使った「ネクストバーガー」、オーツ麦から作った「ネクストミルク」など、未来の食料危機に対応する代替食品メニューも展開している。
今回試食した「NEXTフォアグラバーガー」も代替肉のパティと植物性培養フォアグラを使用した、なんちゃってフォアグラバーガーだ。こいつは肉類や乳製品を一切口にしないヴィーガン向けメニューで、フォアグラでもなければハンバーガーでもないという点は、肝に銘じておかねばなるまい。ちなみに農林水産大臣が制定するJAS規格では、原材料の95%以上が牛肉なら「ハンバーガーパティ上級」、原材料の75%以上が食肉(牛、豚、家きん肉)でつなぎが5%以下なら「ハンバーガーパティ標準」とされている。代替肉バーガーを決してハンバーガーと言ってはいけない。
それではさっそく試食してみよう。ガブリ。
代替肉のパティの上に植物性培養フォアグラ、および和風バルサミコソースを絡めた大量のマッシュルームが乗っかっているぞ。パティに下には小指の先くらいの大きさに切られた玉ねぎがたっぷり。
なるほど。大豆から作ったパティは豆腐ハンバーグとは一線を画すレベルだな。でも食感が少しミートローフっぽいので、じっくり味わっていると肉らしくない感じがしてくる。
いよいよフォアグラの食レポ。「Where is the foie gras?」
このバーガーの最大のウリである植物性培養フォアグラは、カシューナッツを麹で発酵させて作った植物原料100%の代替肉。こいつを開発したDr. foods社のフランス人博士がニッポンで味噌、醤油、酒などを研究し、味と香りのいい麹と巡り会ってようやく完成させたそうだ。

フォアグラだー、うれしー。パクッ、もぐもぐ??? フォアグラのお味や食感がよく分からない。濃厚な和風バルサミコソースと大量のマッシュルームのおかげで、ぼやけてしまっているのだ。ものすごく味噌の香りが強くて、筆者は味噌のカタマリかと思ってしまった(店員はあくまで和風のバルサミコソースだと言い張っているので、味噌味かどうかは不明)。どこか懐かしく、実家を思い出してしまった。おふくろは元気にしているだろうか。
ちなみにバンズにはほうれん草が練り込んである。栄養バランスを考えて入れたのかな? いや、おそらくレタスなどの緑色野菜がないので、バンズに差し色(緑)を入れたのだろう。次に発売するときはぜひレタスも入れてくれ。
もしも鬼編集長に「NEXTフォアグラバーガーは1800円(税込み)の価値があるか」と詰められたら「んー、ビミョー」と答えてしまう筆者だが、通常のハンバーガーチェーンとは一線を画すぜいたくな味わいには魅力を感じる。店舗が表参道ヒルズの隣という超一等地にあるから、カノジョと食べるといったシチュエーションなら、いい感じの価格設定ではなかろうか。
地球環境を考えて、植物由来にこだわる日もあっていい
冒頭でも書いたが、アメリカではけっこう植物ベースの代替肉が人気らしい。2012年をピークに食肉消費量が大きく減少していて、その代わり大豆由来の代替肉を食べたり、ヴィーガン料理を食べたりする人が増えているんだって。以前バーガーキングで「プラントベースワッパー」を食したが、言われないと牛肉100%のパティと区別がつかないくらい肉にそっくりだった。

これから人口増加が進むと、人類はタンパク質不足に陥るらしいので、こういったスタイルの食品は未来に向けたビジネスとして超重要なのだ。
急激な円高と物価の上昇で、最近は「2000円くらいの金額の食事もアリだな」と思えるようになってきた。SDGsやサステナビリティーのために、植物由来の食事にこだわる日も作ろうかな、と思った今日この頃である。