米国でインフレ地獄を味わう日本の新聞記者の末路…「ランチ5万円」「食料品は100均」「ネット購入は配送代でNG」「犬用アイスの高騰」
「為替介入」効果なし…強烈な円安トレンドでモノの値段はまだまだ上がる
9月21日、FOMCで年内の利上げ継続が明確になり、翌日、日銀の金融緩和策に変更がないことが分かると、ドル円相場は一気に145円台にまで爆騰した。24年ぶりの安値更新だ。このまま150円を目指すのではないかという声も出る中で、夕方になって財務省が、これまた24年ぶりとなる、円買いドル売りの「為替介入」実施を発表。一転して140円台前半まで円高に戻したものの、結局はカンフル剤に過ぎず、週を明けた現時点で再び145円に向けて、円安トレンドが進行中だ。
そんな、小手先の施策では抗いきれない強力な円安トレンドもあり、当分はモノの値段が上がる日々が続きそうだ。もちろん電気代がみるみると上がっていることは、毎月の電気代をみれば明らかだが、今後はそれだけではなく、ありとあらゆる日用品の値段が上がっていくことになる。すでに輸入物価は上がっているが、今後はそれを加工した国内の商品も上がっていくはずだ。
これまでモノの値段が安すぎたデフレマインド・日本
もともと日本は諸外国と比べ「モノの値段が安い」ことで知られていた。コロナ前は東京・秋葉原や大阪・心斎橋を大いに賑わした爆買い中国人観光客も、日本で大量に買うのは「日本の製品は品質がいいから」というよりも「日本はめちゃくちゃモノの値段が安いから」という本音があった。
バブル以降日本にはびこっていた「安さが全て」の “デフレマインド” がこうした形で変化が生じていることはいいことかもしれないが、問題は日本人の給料が全く上がる気配のないことだ。
経済学者の竹中平蔵氏は「給料を上げたくても生産性が上がっていないので上げようがない」と厳しい現状を指摘する。単純にコスト増を起因としたモノの値段の高騰は、これまで以上の利益を企業にもたらすわけではないので、会社が潤うわけではない。だからこそ、給料も上がりにくいのだ。
そんな中で、アメリカでは日本に先駆けて、狂気的なインフレが社会を襲っている。ただこちらは給料も同時にこれまで上がってきたという事実もあるが、それにしても「おっつかない」と現地の人たちは嘆く。そして何よりも苦しいのは在米日本人駐在員の貧困生活だ。
日本の駐在員は弁当持参でなければアメリカでは生きていけない
「僕の給料は日本水準ですし、上がっているわけではないですからね……。スーパーに行っても買うものがありません。高くて、しかもマズいものしかありませんから」
そう語るのは日本の新聞社からアメリカの支局に赴任している記者だ。