「配達中の寿司でカラスに餌付け」「イラついたら蛇行運転」キレるフード配達員の恐怖の実態
前回の記事「タワマンはクソだ!」と住人にブチ切れるデリバリー配達員の言い分…「睨みながら伸びたツケメンを渡す」で、高所得の人々への恨みつらみを明かしてくれたフード配達員のマモルさん41歳(仮名・男性)。怒りの矛先はタワマン住人だけに留まらず、「アプリへの住所登録を雑にする人」への不満も爆発寸前だという。
防犯のために住所を書かない客はバカ
「俺たちフード配達員の仕事というのはな、客が登録した “ピンの場所” までメシを届けることであり、客にメシを渡すことではないんだよ。それをわかってないヤツがあまりにも多すぎる。買い物に行くのが面倒なのか知らねえが、俺はお前らにメシを届ける人ではない。あくまでお前らが登録したピンの場所にメシを持っていく人なんだ」(41歳フード配達員マモルさん、以下同)
都内のファミレスで取材に応じたマモルさんは、右手に持ったドリンクバー用のグラスを握りしめながら、そう話した。今にも割れてしまいそうだ。やけに “ピンの場所” を強調しているが、マモルさんによれば自宅の住所を登録せずにメシを注文する「バカ」があまりにも多いのだという。
マモルさんがヤンニョムチキン(ハニーマスタード味)を世田谷区のマンションに届けにいったときのことだ。住所は登録されているものの、補足情報の欄に「ピンの場所は家ではないのです。ピンの場所に来てください。電話かけて家までの道を説明します」と記されてあった。マモルさんはしぶしぶピンの場所まで行くも、最終的に客の自宅に着くまでに10分以上かかってしまった。
「電話で道順を伝えるのって無理があるだろ? お前が右と言っても俺が見ている右とは方向が違うかもしれない。東とか西とか言われてもコンパス持ち歩いてるわけじゃねえんだから伝わらねえよ。俺たちは一件ごとに報酬が発生しているわけで、ピンの場所からそいつの自宅に向かう10分間はタダ働きになるんだよ。プライバシーを気にしているのかもしれねえけど、結局家の場所教えるんだったら最初から書いておけよ」
山奥の神社に立つ男の顔面にアツアツの麻婆豆腐丼を…
あるときはピンが立っている場所が山奥の神社になっていた。時間は深夜2時。マモルさんは手に持ったアツアツの麻婆豆腐丼をいざとなれば相手の顔にぶっかける覚悟を持ちながら石段を登ったという。真っ暗な境内にはフードを被った男性がひとりで立っていた。何事もなく麻婆豆腐丼を渡せたそうだが、仮に配達員が女性だった場合は危険が伴うし、精神的負担もかなり大きいだろう。