1億2千万豊洲タワマンの自称”人生の勝者”カップル…離婚、競売、自己破産の転落劇
平均年収が400万円台の時代に、東京23区内で新築マンションを購入できる人は間違いなく「成功者」だといえよう。不動産経済研究所の調査によると、2022年9月の東京23区内新築マンションの平均価格は8758万円だった。豊洲のタワマンであれば、1億越えも珍しくない。実際に築10年以内の中古タワマンでも、3LDK・80㎡を超えるもののほとんどが1億円を超えている。そんな高級タワマンを購入するのは、経営者や高収入のパワーカップルだそうだ。
しかし、パワーカップルの場合、ライフプランが崩れて返済できなくなるケースも少なくはない。今回は1億2000万円のタワーマンションを手に入れたパワーカップルが、すれ違いにより離婚、自己破産と最悪な末路を迎えたエピソードを紹介する。
豊洲タワマン住まい友人夫妻の幸福そうな姿に触発され「結婚したい」と思った
A氏は新卒で大手証券会社に入社した。10年前の証券会社には、依然としてパワハラが横行していた。入社してから数年は「案件取れるまで帰ってくるな」「仕事ができない人間なんて会社を辞めたほうがまし」と上司から詰められる日々だった。毎晩酒を飲んでストレスを発散させるような生活をしていたが、業績によっては数百万円のボーナスをもらえることもあり、それを糧になんとか頑張れていた。
29歳になった時に大学時代の友人B氏が結婚したということで、B氏が購入したという豊洲のマンションへ訪れた。B氏はメガバンク勤務で、同じ銀行の地域総合職の同期と結婚。豊洲駅からB氏のマンションまで歩いている間にたくさんの家族連れに会い、子育てがしやすい環境であることはよくわかった。当時のA氏は、「外食と会社までのアクセス重視で高円寺に住んでいた自分とは別世界だ」と感じたそうだ。
B氏夫妻が穏やかで幸せそうな姿を見て「自分も結婚がしたい」と、初めて結婚を視野に入れ出したという。
当時のA氏はストレスで荒れた生活をしており、飲みに行く女友達はたくさんいたものの、本気で付き合うような女性はいなかった。29歳で結婚を本格的に考え始め、友人の紹介で知り合った女性と付き合うことに。相手はメーカー勤務の2歳年下の女性。2人ともワイン好きという共通点があり、すぐに意気投合した。そして、結婚の話をするようになると「私も働き続けて2人で頑張りたい」と言ってくれたのも安心材料となった。
当時のA氏の年収は、20代男性の平均を大きく上回る、1200万円ほどだった。とはいえ、証券会社は業績によってボーナスが左右されるので、「できるだけ共働きをして家を支えてくれる人がいい」と思っていたのだ。A氏は女性の言葉を聞き、付き合って1年と短かったがプロポーズを決めたそうだ。