美しすぎる「ゆづくん」「昌磨」二年越しの贈答歌とその文学性…「二人の間には、そうした二人だけの心がある」

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詩歌で心を、二人だけの間柄で伝え合う。「ゆづくん」と「昌磨」の贈答歌
二年越しの、贈答歌だった。
羽生結弦がプロフィギュアスケーターに転向して二年、競技会で幾度もまみえ続けた宇野昌磨が「この度、現役選手を引退する決断を致しました」と競技生活に別れを告げた。
贈答歌とは人に贈り、人に返す個人間の詩歌のこと。日本人は遥か万葉の時代から、あるいはそれ以前から詩歌で心を伝えた。
個の直情をそのままに伝えることを忌避する日本人にとって、詩歌で心を、二人だけの間柄で伝え合う。千年以上も日本人は、そうしてきた。
羽生結弦と宇野昌磨もまた、そうだった。