フィギュアスケーターの「引退」とは何なのか、アスリート、羽生結弦の矜持…それでも歪められる事実に声を上げる

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「引退」ではだめなのだ。「プロ転向」でなければ。
何度でも書くが羽生結弦は「引退」などしていない。プロ転向である。
羽生結弦という存在にとって「引退」ではだめなのだ。「プロ転向」でなければ。ましてそれは羽生結弦自身の言葉だ。
2022年7月19日からまもなく、五輪二大会連続金メダル、男子シングル唯一のスーパースラム達成者である彼がプロとして『プロローグ』『GIFT』『RE_PRAY』を手掛け、さらに別の次元に到達した。アスリートとして、アーティストとして、そしてエンターテイナーとして。
それは羽生結弦が「フィギュアスケートである必然性」という作家性の中で積み重ねてきた、アスリートとして命がけの積み重ねの果てに成した史実である。それが「引退」ではその歴史をも分断してしまう、不適当なのだ。ジャンプひとつとっても、これまでも、いまも、この先も同じ地平でずっと先を見ているのが羽生結弦だ。