なぜあなたの文章は「読んでいてシンドイ」のか? 読者が激萎えするキラーワード「オイラ」「元氣」…「イタい、サムい、イキる」自己愛で窒息死

人の興味を一瞬で冷ます文章とは一体どんなものか。「大宅壮一ノンフィクション賞」受賞、WEBでは1本2000万PVの記事を生み出す、硬軟交えた文章を発表し続けるライターの安田峰俊氏。
『みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ「最強」の日本語ライティングの世界』(星海社新書)では、プロならではのリアルな文章術を伝えた安田氏が、プロならではの指摘を忖度なく語る。みんかぶプレミアム特集「なぜあなたの文章はつまらないのか」第二回。
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思いもよらない方向に拡散していく
WEBメディアとSNSが普及した現代は、プロのライター以外の一般人の文章が、ネットを通じて簡単に数万~数十万人の目に触れる。かつてはせいぜい関係者の狭い界隈で読まれるだけだったはずの内容でも、思いもよらぬ第三者に読まれてしまう時代である。
もちろん、いいこともある。記事がバズってセルフブランディングになることは多いし、そうした記事を何本も書ける人には書籍出版や講演のオファーが来る。本業ですこし目立っている人なら、大手のWEB媒体から「とりあえず1本」の依頼があることは珍しくないし、それらがなくても自分で「note」の記事を書けばいい。運が良ければ原稿1~数本で自分の価値を高められるのは、場合によってはかなりお得だ。
ただ、気軽さはリスクとも紙一重だ。記事が炎上する危険はもちろん、小さなミスが多い文章や「なんとなくイタい文章」を書いてしまい、かえって自分の信頼が毀損されることもある。今回みていくのは、そんなリスクを避けるための文章術だ。