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それでも休職するべきですか?メンタル不調に陥った管理職50代男性「年間60万円の赤字」息子は大学進学、定年後もバイト

 近年はメンタルに支障をきたす人は珍しくありません。筆者もメンタル不調に方々の家計の相談をたくさん受けてきたが、今回は管理職の重責などによりメンタル不調に陥られた赤津さん(仮称)のケースをご紹介しましょう。なお、赤津さんのご相談はメール等のやりとりで行ったことを最初に記しておきます。

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*ご相談が必ず回答されるとは限りません。編集部と深野さんが実際に回答する答えを選びます。

目次

三男が大学進学予定。無理して働き続けるべきか…

 管理職の重責のせいかメンタル不調に陥り、医師から「休職すべき」と診断されている54歳の赤津さん。休職後、仕事に復帰しても60歳で定年退職しなければならないことから、休職して仕事に復帰しても56歳頃に会社を辞めることを考えられていました。56歳頃に退職した場合でもパートやアルバイトで60歳までは働き、60歳以後は全ての仕事は引退して公的年金の受給に切り替える予定でいます。

 赤津さん、相談時には今後のライフプランは複数のプランを考えているものの、まだ学生の子どもを抱えていることから現実的に休職に踏み切れない状況でした。金融資産はそれなりにあるものの、赤津さん自身が「休職→退職→パートまたはアルバイト」という形で働いても、子どもの学費等を支払いながら生活していけるのかのご相談になりました。家計収支を試算しながら赤津さんの相談に回答して行きましたが、残念ながら公的年金の受給額や退職金の有無、金額など一部不明な点がありました。また、末子の三男の進学プランなども決まっていないことから試算は推測の金額を交え、かつ三男の進学プランは長男と同じく大学進学として回答することを赤津さんに承諾していただきました。

 赤津さんは休職することに躊躇されているようですが、筆者こうしたご相談を数多く受けています。その経験から述べると、我慢してずるずると仕事を続けて行った場合、症状をさらに悪化させてしまうケースが多々ありました。

 健康を悪化させてしまうと対応する家族への負担が増え、また赤津さん自身の回復により時間がかかってしまう可能性が高まってしまうことも否定できません。健康であってこそ!と考えれば、直ぐに会社を休職されて静養されることをお勧めしたいと思います。

極端な節約は体調を悪化させる可能性も

「管理職」という赤津さんの立場を考慮すれば直ぐに会社を休職するのは難しいかもしれませんが、体調を考えれば1日でも早く休職されることを願うばかりでした。経験談に基づき赤津さんが直ぐに会社を休職されると前提して家計収支は試算して行くことにしました。

 休職された場合、傷病手当金が年間300万円、妻80万円、不動産関連の所得140万円、株式の配当金30万円、合計550万円が世帯収入になります。傷病手当金は非課税ですが、不動産関連の所得などは課税扱いになるため手取額は520万円とします。支出は年間450万円と書かれているものの、休職したら傷病手当金の範囲内で生活しようと考えていますとも書かれていました。三男は相談時に中学3年生であることを考慮すると、赤津さんの休職後に生活費を抑えることに反対はしませんが、年間450万円から傷病手当金以内の300万円と150万円も減額するのは極端過ぎる気がしてなりません。

 将来を見据えると節約を意識されることは理解できるものの、極端な節約は赤津さんの体調面にはプラスよりもマイナスに働くケースもありえると思えるからです。幸い世帯収入は手取りで520万円あるのですから、赤津さんの意に反するかもしれませんが休職中の2年間の生活費は1割強減額した年間400万円としました。

2年間で240万円貯蓄が上乗せ予定

 年間の手取収入520万円、年間支出が400万円ですから、年間の収支は120万円の黒字になります。赤津さんは56歳まで休職予定ということなので、2年間で240万円貯蓄を上乗せできる形になります。54歳時点で保有している金融資産は貯蓄3000万円、投資500万円の3500万円ですから、休職中の240万円を加えると3740万円になります。

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この記事の著者
深野康彦

ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルリサーチ代表。1962年生まれ。クレジット会社を経て独立系FP会社に入社、96年に独立。30年以上の実績を持つ日本のFPの草分けの一人。さまざまなメディアやセミナーを通じて家計管理の重要性や投資のあり方を発信するとともに相談業務も行っている。

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