何をやっても上手くいかない「泥沼」にハマり込んだとき、人はどうすればいいのか…フォロワー約40万人の精神科医「それは幻想です」
自分は何をやっても上手くいかない――。そんな悩みを漠然と抱えていると、何をしても楽しくない、暗い人生になってしまう。しかし、漠然とした悩みなので、何をすればいいかがわからない。その処方箋を、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)などの著書がある精神科医Tomy氏に聞いた。みんかぶプレミアム特集「強運の法則」第3回。
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何をやっても上手くいかないときの対処法
――何をやっても上手くいかないと悩んでいるけど、何をどうすればいいかもわからない。そんなときはどうすればいいですか?
Tomy先生(以下、同)
漠然とそんな悩みを抱えているときは、動きが足りないときです。なので、ちょっとでもいいから動いてみてください。動いているときってその動きのことに思考が向くので、「なんだかうまくいかないなー」という余計なことを考えなくて済むんです。漠然とした悩みを抱えながらじっとしていると頭がお暇になっちゃって、「この先どうしたらいいのかな」とか「自分はこのままでいいのかな」とかネガティブなことを考え始めてしまいます。目の前のことに集中していると、人間はネガティブなことを考えたり不安を覚えたりしないんです。
――では、何も対処せずに、その漠然とした悩みを放置してしまうのは、いい選択肢とはいえないのでしょうか?
いえ、それも悪くない方法です。というのも、漠然と「何をやっても上手くいかないな」と悩んでいるときって、何が上手くいっていないか具体的にはよくわかってないわけですから、別に放置しまってもいいんですよ。余計なことを考えてしまうから苦しいわけであって、あんまり考えなくてもいいんですよ。
――でも、動いたほうがいいわけですか。
言い方を変えれば、余計なことを考えないためには何か行動をしていましょうっていう話なんですね。体が動いていない状態で考えだけ巡らせてしまうとろくなことを考えない。ちょっとでも動かないことには物事は前に進んでいかないので、とにかく小さくてもいいのでトライアンドエラーを繰り返すことです。
――なるほど。たしかに、何かを思い悩んでいる人って、部屋で一人で考え込んでいるイメージがあります。漠然とですが。
人生はトライアンドエラーの産物である…Tomy先生が売れっ子になるまでの失敗遍歴
――Tomy先生でも、これまでに何か失敗ってしたことはあるんですか?
アテクシがやっていることなんて、すべてトライアンドエラーの塊ですよ。「これが」じゃなくてすべてがトライアンドエラーです。アテクシは、最初はブログの執筆がメインでX(現在のフォロワーは約40万人)だって最初はあんまり興味なかったんです。でも、本の企画がポシャったときに考えていた内容を、当時のTwitterに短文で投稿してみたんです。「このほうがいいんじゃないか」とか「こういうふうにしたほうが刺さるんじゃないか」といろいろトライアンドエラーをしていたら自然とフォロワーさんが増えていったわけです。
本だって売れないなと思ったらあの手この手やりますよね。それで、何かの拍子に売れることがある。そういうのはすべてトライアンドエラーの産物なんです。ブログも最初はつまらない話ばかり書いていました。「もう気がついたら30歳になっちゃった」みたいな。誰も見てくれないわけですよ。だから、これじゃ駄目だなと思って自分が“ゲイ”であること前面に出してみようとか、だったらオネエ口調でお悩み相談したら盛り上がるんじゃないかとか、文字を大きくしたりカラフルしたりしてテンポを出すといいんじゃないかとか、いろいろ試しました。
――それで本の依頼が来るように。
すると、そのうちアテクシのブログを読んでいるコピーライターさんから、「編集者や出版業界の人が来る異業種交流会があるから来ませんか?」と誘いが来て、そこで名刺を配りまくりました。それを機にアテクシのブログを読んでくれた編集者さんが「本にしましょう」って言ってくれたんです。トライアンドエラーを続けていると、物事は数珠繋ぎのように進んでいくんです。