ハイアールと羽生結弦の魂が重なる…この融合が歴史を創る「同じ刻を生きることができて幸せに思う」
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ハイアールと羽生結弦、私は大きな共通点に感動を憶える
ハイアールには、この国の「ものづくり」の魂がある。
羽生結弦の魂と同じように。それは時代を越え、国境を越えて受け継がれたものだ。かけがえのないものだ。
11月21日、世界的家電メーカーのハイアールが羽生結弦とブランドアンバサダー契約を締結したことが発表され、世界中を驚かせた。
いや、また世界中を驚かせた、と言うべきか。
五輪連覇、スーパースラムという結果とそれを裏づけるアスリート、アーティストとしての技術と矜持、常に人々に寄り添い続ける活動の日々からすれば当然と思うかもしれない。
しかし相手は世界的な家電の巨人、ハイアールである。
かつて、その巨人はアメリカのGEだった。キング・オブ・アメリカ、世界の生活はGEと共にあるとまで言われた。
ハイアールのいまはそれに匹敵する。実際、大型家電のシェアでハイアールは世界トップにある。
そのハイアールと羽生結弦、喜ばしいと共に、私は大きな共通点に感動を憶える。
それは「ものづくり」の魂にある。
その魂は羽生結弦を生んだ日本にその原点がある。ハイアールにはそれが息づいている。
ものづくりを軽視する風潮
ものづくりを軽視する風潮が日本の、この国のかけがえのないものを奪ってしまった。
現場で頭を使い、体を使い、汗をかく。金属資源もエネルギー資源も乏しい私たちの国は、先祖はそうやって物を作り、世界に「ものづくりの国」としての地位を確立した。
しかし、いつからか現場は軽んじられ、ものづくりは敬遠され、失われた三十年、いや四十年にも及ぶ斜陽を迎えて久しい。
〈近年特にものづくり軽視の風潮が指摘されるなど、問題が多く存するものと認識している。ものづくり基盤技術の継承が困難になりつつある現下の状況は、我が国に蔓延する知識偏重の偏差値あるいは学歴による一元的な価値観によるところが大きい〉 ※第150回国会、衆議院鍵田節哉氏の質問主意書、2000年10月19日。
こうした指摘は何度も繰り返されてきた。それでも現場とものづくりの軽視に歯止めはかからなかった。この2000年代から日本を代表する「ものづくり」企業が失われ始めた。
まさに羽生結弦だ
三洋電機もまたそうだった。「サンヨー」のほうが馴染むだろうか(以下、サンヨー)。
戦後まもなく優秀な洗濯機を開発した家電の雄はグループ全体で10万人以上の社員を抱えたまま2011年、事実上消滅した。吸収したのは祖業で関係のあった松下電器(現・パナソニック)、ほぼ同時にサンヨーの冷蔵庫部門と洗濯機(AQUA)を海外に売却した。サンヨーの技術者もほとんどがハイアールに転籍となった。