かつて「ヤリマン」だったあなたへーー作家・樋口毅宏が妻・三輪記子を赤裸々に語る。判明した息子の血液型は…
性に奔放な女子、いわゆる「ヤリマン」という言葉を聞くようになって久しい。自己実現、性欲、承認欲求――投げ売りセックスに至る事情はそれぞれ異なるが、たいていが一時的なもの。結婚もすれば、自由にセックスをする環境から離れることもあるのだ。となると、男にとって重要なのは、「妻が昔ヤリマンであることを知っても、同じように愛せるか?」だ。作家の樋口毅宏氏が語る「かつてヤリマンだった妻」についてーー。
目次
妻とはしばらくセフレ以上、恋人未満だった
今回は「みんかぶ」史上最大、深遠なるテーマに挑みます。
あなたは結婚していますか。妻に自分と会うまでに何人の男性経験があるか、訊ねたことがありますか。
結婚してなくても構いません。恋人に、「僕は何人目?」と訊いたことはありますか。
訊いたことがある貴方、女性はキョトンとした顔をしませんでしたか。ちょっと驚いて、微笑から真顔を取り繕って、「なんでそんなことを知りたいの?」と、逆に訊ねられませんでしたか。
僕の妻はヤリマンでした。
まあ酷いもんでした。
およそ10年前、弁護士でタレントの三輪記子(みわ・ふさこ)とはTwitter(当時)で知り合い、初めて酒を一緒に飲んだ朝に持ち帰りしました。それからはセフレ以上、恋人未満の期間が半年ぐらい続き、あるときふさこから言われました。
「樋口さんの子どもが産みたい。お金は要りません。籍を入れなくていいです。一切迷惑をかけません」
僕が43歳、ふさこは38歳のときでした。
もちろんこの口約束はすべて不履行になりました。
長男出産の際には、ふさこが生まれ育った京都に引っ越しました。
そこで何人のふさこの元カレと遭遇したか。
夜メシの後にコンビニで出くわしたのは3、4発ヤッたことがある元セフレ。
昼間、通りの向こうにいるサラリーマンを大きな声で呼び止めたかと思うと、むかし一回だけヤッた同級生。
トークイベントで過去の男とばったり遭遇…趣味を疑った
リリー・フランキー、ピエール瀧、大根仁監督のトークイベントを観覧しに行ったら、会場でふさこの元ヒモとばったり鉢合わせた。元ヒモの消防士については、ふさこ本人から話を聞いていた。
週刊プレイボーイでリリーさんは人生相談を連載している。ふさこはタレントとして世に出る前、匿名でリリーさんに相談し、それとは別の回に消防士も登場している。ふさこがファイルに保存していた誌面を見せてもらった。
消防士は、「むかしのカノジョのことが忘れられない。だけど少し前から女性弁護士の家に転がり込み、ヒモになっている。仕事が終わってクタクタでも毎晩求めてくる。疲れているからと断ると、ヤラないなら出ていけ!と夜中にキレだし6時間説教」と、吐露していた。
リリーさん絶句。
「きみみたいな若くてマッチョな男が音を上げるなんて、その女性弁護士は凄いね」
消防士「絶倫です」
この、「セックスを断るとキレ」、「絶倫」の「女性弁護士」が三輪記子だった。僕、ふさこ、消防士。トークイベントはさながら同窓会に転じた。
開演前に配られたアンケート用紙に、「妻がヤリマンで困っています」と書いたところ、イベントが始まるやいなや、リリーさんに読まれた。
「樋口さん、いくら作家だからってパンチラインが効きすぎですよ!」
リリーさんに呼ばれて消防士も発言したが、話し方がいかにも頭が悪そうで、(自分を棚に上げて)ふさこの男の趣味を疑った。
僕「ああいうバカっぽいの好きだよな!」
リリーさん「ダメですよ樋口さん、彼のことを“お兄さん”と呼ばないと」
消防士はふさこから逃げ出した経緯をぼそぼそと語る。
ふさこが声を張り上げる。
「“セックスはもういいから勉強を教えてほしい”?虫が良すぎるんだよ!」
リリーさん、瀧さん、大根監督、引き笑い。400人を超す満員の会場が失笑で渦巻いた。ここは地獄なのかと頭を抱えた。結局、京都にいる間、初体験の相手から1回目の婚約破棄の相手まで、軽く10人以上に会った。
終わらない妻の“ヤリマン武勇伝”
あんまり顔を合わせるものだから、「京都で石を3つ投げれば三輪記子とヤッた男に当たる」と思ったほどだ。
東京に戻った。ふさこのヤリマン武勇伝はこれで終わらなかった。
あるときテレビを見ていたら、引退したプロ野球選手がキャンプを視察していた。その超超有名な元選手の横にいる胡散臭い男に、直感するものがあった。