僕たちはそれぞれの「Ghost」の囁きを受け入れる、羽生結弦の神事によって。『Utai IV ~Reawakening』

目次
羽生結弦は捧げる、僕たちの神に
神に捧げるんだ。
僕たちの、神に。
それが誰なのか、何なのか。わからないけど。
わからないから、捧げる。
羽生結弦は捧げる、僕たちの神に。
『Echoes of Life』「Utai IV ~Reawakening」
あれは、神事。
信じる神は、何なのか。
どこにいるの。
そういえば、Novaの神って何だろう。
電脳に、神はいるの?
人が電脳にも神を見るなら、いまだって僕たちの神はいる。
『攻殻機動隊』では「Ghost」。人のアイデンティティ。
『攻殻機動隊 S.A.C.』で草薙素子は言った。
「そうしろって囁くのよ、私のGhostが」
羽生結弦もそうなんだろうか。
『Utai IV ~Reawakening』を選ぶ――そういうことなんだろうか。
その先にあるのが、神か。
僕たちの霊魂、いまや「Ghost」であるのかもしれない電脳の時代にある僕たちの、神事。
幻想の一言では足りない幻想。
神が、確かにいたんだ。羽生結弦の前に。
その誰なのか、何なのか。わからない神を前に羽生結弦の肉体が躍動する。その細く美しい指の先まで「Ghost」は宿る。
わからないから、舞う。そして、捧げる
舞踏はすべてを解放する。それは「Ghost」をも。