2025年東⼤合格者数を爆増させた首都圏の進学校3選…20年前0人から25年東大合格者二桁まで急成長した中高一貫校はどこだ

3月10日、今年も東大の合格者数が発表された。どの学校が合格者数を伸ばしたのか。学歴活動家のじゅそうけん氏が首都圏で東大合格者数を爆増させた3校を紹介するーー。みんかぶプレミアム特集「天才の育て方」第6回。
目次
2025年東大合格者数81名!長年の停滞から脱し、ついに全国公立高校の圧倒的トップに躍り出た日比谷高校
2025年に東⼤合格者数を爆増させた進学校その1は、都⽴⽇⽐⾕⾼校だ。
全国ナンバーワン公⽴校として名を馳せた本校は昨年東⼤60名から81名へと爆増。私⽴を合わせても5位につけた。
前⾝には旧制府⽴⼀中を持ち明治期より旧制⼀⾼(現在の東京⼤学前期教養課程)、東京帝⼤(現在の東京⼤学)に優秀な⼈材を輩出し続けてきた。
⽇⽐⾕改称後もその威光は健在で、1964年には「193名」もの東⼤合格者を輩出している。
その後、学区群制の影響などもあり1990年頃には合格者1桁まで衰退したものの、近年は学区制の廃⽌や私⽴中⾼の⾼校募集停⽌の影響もあって息を吹き返し、全国の公⽴校をリードする存在として君臨している。
日比谷高校復活の一因「進学指導重点校」に指定されたこと
名だたる⼀貫校に並びこれだけの進学実績を可能にする鍵は「⽣徒と教師の関係」にあるのだという。
まず、教師の質の部分だが、「進学指導重点校」の存在が⼤きい。
進学指導重点校とは、東京都教育委員会から指定され、進学指導の充実を図り進学実績の向上に重点を置いた都⽴⾼校のことを指し、共通テストを5教科7科⽬で受験する者が在籍⽣徒の6割以上、難関国公⽴⼤学(東⼤・京⼤・⼀橋⼤・東京科学⼤・国公⽴医学部医学科)への現役合格者が15名以上など、ハードルの⾼い基準が設けられている。
現在では本校に加え、⼾⼭⾼校、⻄⾼校、⼋王⼦東⾼校、⻘⼭⾼校、⽴川⾼校、国⽴⾼校の7校が指定されている。
これらの都⽴⾼校では、教育体制の充実のために教員公募制を実施して優秀な教員を募るなど、教員双⽅の質向上に⼀役買っている。
いまや開成⾼校を蹴って⽇⽐⾕⾼校に進学する者も珍しくない
また、関係性の部分では担任団制度による学習指導が⼤きな要因だという。
学年毎に持ち上がりで同じ担任団で進んで⾏き、1年⽣の時から、学習・⽣活・進路について、励ましながら、意識を⾼く持たせるための働きかけを⾏う。
加えて、3年間での仕上げを可能にするため、主要3科⽬は早めに取り組みながら「この時期にこの科⽬をやる」という⾃学習の指針を⽣徒に⽂書で⽰すことで理社の早めの仕上げを図る。
優秀な教師が優秀な⽣徒にしっかり⽅針を⽰しながら、上質な指導を⾏うことで、本校3年⽣は⼀貫校の⽣徒に負けない学⼒を⼿にするのだ。
本校の快進撃を受けて、いまや開成⾼校を蹴って⽇⽐⾕⾼校に進学する者も珍しくなく、中学受験における中堅私⽴進学者が⾼校受験で本校を⽬指すケースも⾒られる。
⾸都圏の中学受験割合が年々上昇し、⾼校から⼀貫校⼊学の枠が減る中、本校を始めとした都⽴⾼の躍進がどのような影響を与えるか、今後の動向に⽬が離せない。