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2030年が不動産価格の転換点になるか…「住宅ローンを組んで家を購入する」ことがコスパ悪すぎる時代の到来

 ここ数年、都心部の不動産価格が急騰している。そんな中、自宅として購入したマンションを売却し、数千万円単位の値上がり益を得る人も少なくない。

 その一方で、『新・空き家問題ーー2030年に向けての大変化』 (祥伝社新書)などの著書もある不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は「今のマンション市場は、さながらバブルの様相を呈しています」と警鐘を鳴らす。

 今後、マンション市場はどうなるのか。住まいや住宅ローンについて、どのように考えれば良いのか。同氏に聞いたーー。全4回の第4回。

目次

2030年以降の不動産市場…大きな転換点が訪れる

ーー不動産価格はこのまま上昇し続けるのでしょうか。それとも、転換点が訪れるのでしょうか?

 不動産価格の転換点については、2030年頃を一つの目安として考えています。世田谷区や大田区など東京都内でも空き家が増えており、2030年頃から大量の相続が発生します。これは戦後の高度経済成長期に住宅を取得した世代の相続が本格化するためです。

 親の二次相続となると、相続税の負担が大きくなり、多くの人が家を売らざるを得なくなるでしょう。相続税の基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人数となっていますが、都心部の不動産価格高騰により、多くの世帯が相続税の課税対象となっています。

 相続税の負担を軽減するために不動産を売却するケースが増えれば、市場には大量の物件が供給されることになります。一般の住宅は投資用にはなりにくいものが多く、また移民政策を採用しない日本では外国人が急増するシナリオもない中で、供給過多になると価格は下がり始めます。

日本の国力低下が不動産市場に与える影響

ーー日本の経済的地位の変化も不動産市場に影響しますか?

 人口減少と高齢化が進む日本では、経済的地位も徐々に低下しています。GDPではすでに中国に抜かれ、ドイツにも抜かれ、今後はインドにも抜かれる見込みです。

ーー「東京はニューヨークやロンドンに匹敵する都市だから不動産価格は上がって当然」という意見もありますが、どう思われますか?

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この記事の著者
牧野知弘

不動産事業プロデューサー。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て三井不動産勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て、2015年にオラガ総研株式会社の代表取締役に就任。ホテルなどの不動産事業プロデュースを展開している。著書に『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)など多数。

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