中受プロが教える「子どもの能力を最大限引き出す」親が見極めるべき「2つのタイプ」

「塾の宿題、まだ終わってないの?」「スケジュール通りに全然進んでいないじゃない!」
親が必死に声をかけても、子どもはダラダラして動かない。机にはプリントが山積みなのに、子どもは危機感もなくソファでゴロゴロ。中学受験期の家庭では、よくある光景だ。
「なんでこんなにやる気がないんだろう」「言わないと勉強しないのはどうして」
親としては、ついイライラしてしまう。しかし、子どもが“動けない”のは、意志が弱いからでも、怠けているからでもない。
「子どもが自分で動けない原因は、多くの場合、親にあります。親が子どもとの関わり方を変えれば、子どもの学びの姿勢は変わり、学力も自然と伸びてきます」
そう語るのは、見守る子育て研究所所長の小川大介氏だ。小川氏はコーチングと脳科学、親子関係理解、学習指導ノウハウを組み合わせた独自ノウハウで、数多くの受験生を合格に導いてきた。
夏期講習や模試が本格化するこれからの時期、どうすれば子どもが自分から学習できるようになるのか。家庭でのサポートのあり方について聞いた。全3回の第2回。
目次
サポートに欠かせない思考や行動の「癖」
中学受験において重要なのは、何よりも「子どもに対する理解」です。わが子は何が好きで、どんなときに集中できるのか。一人で進めたいタイプか、それとも一緒に取り組みたいタイプか。困ったときに助けを求められる子か、それとも黙り込んでしまうタイプか。
こうした“思考や行動の癖”を日常の中で丁寧に観察し、蓄積しておくことと、受験勉強を親がサポートする上で大きな財産になります。私が提唱する「才能タイプ子育て」では、遺伝特性に着目して人の才能タイプを90タイプに分類し、それぞれのタイプに応じた最適な関わり方と指導法を具体化させています。その正確な分析は、才能タイプ診断「コドモトメガネ」を受けていただく必要があるので、ここでは読者でも活用できる視点をご紹介しましょう。
たとえば、勉強への着手の仕方に関して言うと、「身体感覚をよく使うタイプ」かどうかの見極めが重要です。
肌感覚が鋭く体を動かすことを好むタイプの子は、まず体を動かしてやってみることで理解を深める傾向があります。この子に「計画を立ててからやろう」「ちゃんと予習しておいて」といった“先回り型”の指示をしても、あまりピンときません。
それよりも、最初は親子で一緒に取り組みながら「今、10分経ったね」「これだけできたね」と声をかけて、身体感覚と達成感を結びつけていくと、少しずつ自分で時間感覚を掴んで学習計画を進められるようになります。
一方、「身体感覚をあまり使わないタイプ」の子は、順序立てて考えるのが得意で、計画を立てると安心して学習を進められるようになります。このタイプの子には、事前に学習計画を一緒に立てて、見通しを示してやるアプローチが効果的です。