アレもコレもは失敗に終わる!中受プロが危険視する「場当たり学習」の落とし穴

中学受験の天王山「夏期講習」の季節がやってくる。夏休みは学校の授業がなく受験勉強に集中できるため、「年間でもっとも差がつく時期」だ。
夏期講習の濃密な勉強に加え、春のやり残し、苦手箇所の対策など手をつけたい課題がたくさんある家庭も多いことだろう。
しかし、実際に夏を「上手に使えている」受験生家庭は少数派のようだ。個別指導塾「Growy」代表のユウシン氏によると「欲張りすぎて非効率な学習になってしまったり、過度に勉強を詰め込んだ結果、秋以降に燃え尽き症候群になってしまったりする家庭は多い」という。
受験生が夏を上手く使うコツはどこにあるのか。どうやったら夏休みを躍進につなげられるのか。小4〜小6の各学年の理想の過ごし方について伺った。全2回の第2回。
目次
「何を学習し、何を捨てるか」を決める
「夏休みは学校がないし、アレもコレも勉強できそう」。そう考えて過去の模試や小テストを引っ張り出してきたり、さまざまな教材を買い足したりするのは、失敗に終わるパターンが非常に多いです。
実際に夏期講習が始まってみると、授業の復習や宿題だけで1日の大半が終わってしまうことに気づくはずです。夏休み前に「何を学習し、何を捨てるか」を決めておかないと、場当たり的な学習に終わってしまったり、量をこなそうと無理な学習計画を立てて親子共に疲弊して終わってしまいます。
私が提唱しているのは「1教科1教材」です。1つの教科につき、1つの教材を掲げて、そこに特化して学習するのです。
例えば、「算数の四科のまとめを完璧にする」「理科のメモリーチェックを仕上げる」「社会のコアプラスを8割以上取れるようにする」など、単元や教材を絞って、ここだけは絶対に達成するという目標を掲げるのです。
学習対象を絞る代わりに、1か月でやり切ることを目標にします。夏期講習もあるので、1日に使える時間は1時間程度しかありません。
学習濃度が重要になるので、「難しすぎるものは手を出さない」「既にできる問題は飛ばす」といった形で効率的な学習を心がけてください。