燃え尽き症候群?中受プロが伝授「頑張ったのに成績が伸びない・・・」を防ぐ親の「やるべきリスト」

中学受験の天王山「夏期講習」の季節がやってくる。夏休みは学校の授業がなく受験勉強に集中できるため、「年間でもっとも差がつく時期」だ。
夏期講習の濃密な勉強に加え、春のやり残し、苦手箇所の対策など手をつけたい課題がたくさんある家庭も多いことだろう。
しかし、実際に夏を「上手に使えている」受験生家庭は少数派のようだ。個別指導塾「Growy」代表のユウシン氏によると「欲張りすぎて非効率な学習になってしまったり、過度に勉強を詰め込んだ結果、秋以降に燃え尽き症候群になってしまったりする家庭は多い」という。
受験生が夏を上手く使うコツはどこにあるのか。どうやったら夏休みを躍進につなげられるのか。小4〜小6の各学年の理想の過ごし方について伺った。みんかぶプレミアム特集「中学受験 夏期講習で伸びるコツ」第3回。
目次
難しい秋以降のモチベーション維持
夏期講習を頑張ったにもかかわらず、秋になって成績が落ち込んでしまうケースは珍しくありません。特に6年生では、この時期の失速が受験結果に直結するだけに注意が必要です。最も典型的な原因は「燃え尽き症候群」です。夏休みの間、集中的に勉強を頑張りすぎた結果、精神的・体力的に消耗し、秋以降のモチベーション維持が難しくなります。「夏は一生懸命頑張ったのに成績が伸びない」という落胆が、さらにやる気の低下を招く悪循環に陥りやすいのです。
また、親の期待値が高すぎる家庭も要注意です。夏期講習に過大な期待を寄せ、「これで成績が上がるはず」と思い込んでいると、実際には即効性がないことに失望し、子どもにプレッシャーをかけてしまいます。夏の学習の成果が表れるのは、早くても秋から冬にかけてであることを理解しておく必要があります。
秋は学校行事も多く、体調を崩しやすい季節でもあります。加えて、受験が近づくにつれて不安感が増し、「受験やめたい」と言い出すお子さんが毎年見られます。これはレアケースではなく、多くの受験生に起こりうる自然な反応です。
こうした状況を防ぐには、短時間の休憩や日帰りの旅行などをして夏期講習中から「頑張りすぎない」バランス感覚を持つこと、子どもの変化に敏感に気づくこと、そして何より「秋も粘り強く継続すること」の重要性を家族で共有しておくことが大切です。