中高一貫校男子御三家(開成、麻布、武蔵)の強さの秘訣…開成生「高2の時点で学年順位が超トップでなければ安心できません」超名門校ならではのプレッシャー

中学受験における男子御三家とは、人気・実力・伝統がトップクラスの【開成・麻布・武蔵】の3校を指す。
中学受験が最も加熱する東京都内のトップ層である3校は超上位の進学校として一緒くたにされるケースが多い。
しかし、校風やカリキュラムはそれぞれ特色があり、それぞれの中身に着目していると違いが見えてくる。
今回は、そんな3校の家の真の学力・教育力について、学歴活動家のじゅそうけん氏がレポートするーー。みんかぶプレミアム特集「中学受験 夏期講習で伸びるコツ」第1回。
目次
校内にヤギがいる…自然豊かな武蔵
「武蔵に入って僕は良かったですね。麻布開成みたいな雰囲気とは違いますが…なんといってもヤギがいますし(笑)」
武蔵OBはそう語る。
最初に紹介する御三家の一角は、練馬区江古田付近に広大な敷地を構える武蔵高校だ。
自然豊かな場所に校舎を構え、敷地の真ん中には小川が流れ、高校の敷地ではなんとヤギがお出迎えだ。
理科の入試で有名な「袋問題」
そんな本校は教育方針もユニークである。
数学も先生が作ったテキストを毎年改訂しながら、そのまま何年も使い続け、レポートの提出も多いという。
実験レポートなどは、自分たちが得た実験データから、生徒なりの結論を出さねばならない。
中学入試の問題も独特で有名であり、算数などは「ここに答えを書け」という枠はなく、スペースに合わせて自由に書かせるスタイルだ。
理科の入試で有名なのは「袋問題」。
毎年、袋の中に紙やセロハン、ネジ、葉っぱといったものが入っていて、それを観察して、自分なりに気づいたことを自由に書かせる。
こうして培われる、自分で答えを出すこと、言い換えれば自力で困難を解決することが武蔵流の自由なのだ。
自力で困難を解決する力をつけさせたいなら
そんな本校は2025年度入試で、東大23名、京大10名、東京科学大14名といった進学実績だが、受験界隈の一部では、過去と比べて寂しい実績という見方もされている。
しかし、武蔵は生徒が自分で進学先として選択した大学に価値があるという考え方だ。
「東大に絶対現役で入れたい」「塾なしで学校が丸抱えで学力をつけてほしい」「落ちこぼれたら学校が手とり足取りベッタリくっついてやってほしい」ということをお望みの保護者にとっては合わないのかもしれないが、「じっくり自力で困難を解決する力をつけさせたい」、そんなご家庭にはもってこいの学校だろう。