中高一貫校女子御三家の真の学力・教育力…女子御三家OG「トップ層は東大に受かっても、下位層はMARCHにも受からない」なぜなのか

中学受験における女子御三家とは、人気・実力・伝統がトップクラスの私立3校、【桜蔭・女子学院・雙葉】を指す。
男子と比べても校風を意識して進路決定を行う傾向にある女子だが、女子校は学校によって毛色や入ってからの実情は大きく異なる。
いずれも高い進学実績を誇るものの、なぜその実績を挙げることができているのかはブラックボックスだ。
学歴活動家のじゅそうけん氏が、OBの声も交えながらそんな3校の真の学力・教育力に迫ったーー。みんかぶプレミアム特集「中学受験 夏期講習で伸びるコツ」第2回。
目次
桜蔭と言えば全国トップ女子高校だが…意外と受験指導は厳しくない
桜蔭は言わずと知れた全国No.1女子校で、女子校としては唯一、東大合格者ランキングトップ10争いを繰り広げている。
本年は東大合格者数においても惜しくも12位だったものの、51名を記録した。
そんな本校は、女子校に多く見られるケースだが、積極的な情報開示は見られないため調べても中々わからない部分が大きい。
圧倒的な進学実績から勉強一色の学校なのではないかとイメージしてしまうが、本校のOGいわくそれは誤解だという。
「大学受験ばっかりに熱中せずに勉強以外のことをやりなさいという方針です。学校の定期試験の結果で平均点すら発表しない先生や、「70点台後半」という感じで平均点を隠すようにアバウトに発表する先生もいました。全体の順位なんてもちろん発表しません」
とはいえ、塾通いの子はやはり多い…中1から鉄緑会や駿台に通う桜蔭生たち
では、一体どのようにして圧倒的な大学合格実績を叩き出しているのだろうか?
「大学受験は自分たちでやらないといけないから、鉄緑会とか駿台などの塾に行く子は多いです。塾に通わず大学受験をする子はあまりいませんでした。中1から塾に行っている子もいて、同じ塾に同級生が何人かきていたりするから、塾が第二の学校って感じで」
女子御三家の中では唯一の無宗教であり、それでいて偏差値で言えばもっとも格上と見なされる本校だからこそ「トップを目指していた結果なんとなく流れ着いた」という生徒も多い。
それも手伝って、早いうちから塾に通うなど学外で勉強に時間を注ぎ込む生徒は多いのだろう。
桜蔭OG「どんな子でも自分を持っている子が多い」「オタク気質の子を面白がる」
時間の使い方については完全に生徒に委ねられており、もっとも特徴的なのが部活動だ。
部活は全員入ることになっているが、運動系の部活であればバレーボール部Ⅰ、バレーボール部Ⅱというように2つに分かれていて、Ⅰは週1回で緩く、Ⅱは朝練からがつがつ活動と選択肢が用意されている。
部活を頑張って勉強はあまりしないのも、運動系のⅡの部活に入りながらも勉強も頑張ることもできるという様子だ。
その一方で校則などは伝統校然としたイメージで、100年近く変化のないジャンパースカートの制服や校名入りの鞄、靴下はハイソックスが禁止でかかとから20センチまでの丈のもの、携帯電話は校内では電源を入れること自体禁止など細かい規則が設定されている。
そのような中では成績至上主義的な空気感になってもおかしくないと感じてしまうが、そこは日本一の女子校だ。
「どんな子でも自分を持っている子が多いですね、例えばオタク気質の子でも、すごく知識が深くて面白いから、頼られたり。それぞれが認め合うような雰囲気です。まさに『唯我独尊』『他者尊重』という感じです」
自分の意思で選択し、上位大への進学も勝ち取っていく。
そんな本校OGはこれからも社会で大きく活躍する女性を、数多く輩出し続けていきそうだ。