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教育投資ジャーナリスト「名門中高一貫校においても上位25%と下位25%の進学先には絶望的な格差がある」東大・医学部合格を見据えた小6夏からの“最強”子育て戦略

(c) AdobeStock

 目前の中学受験で名門校に合格するのはもちろん重要だ。しかし、教育投資ジャーナリストの戦記氏は「本音としては、みなさん名門大学に進学させる目的で中学受験されているのではないでしょうか」と問いかける。大学受験を見据えて、小6の夏以降、何をしていけば良いのか。同氏に聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「中学受験 夏期講習で伸びるコツ」第6回。

目次

「リアルタイムで考えた中学受験生としての小6の夏」と、「高1の今振り返る小6の夏」

 教育投資ジャーナリストの戦記(@SenkiWork)と申します。

 みんかぶの中学受験特集ということで、「中学受験、小6の夏にやっておくべきこと」というテーマにて寄稿を依頼されました。

  しかし、我が家の中学受験は3年前の2022年に終えており、当時小6だった娘も高1になっています。寄稿を依頼するならば、生々しい記憶を持つ中学受験2025年組の方に依頼するのが良いのでは、とも思いましたが、僕には以下3つの特殊性があることに気が付きました。

 ①2016年(小1)から2022年(小6)までの日々の記録をリアルタイムで残している。

②娘は中学受験では完勝できなかったが、鉄緑会指定校にて学年総代として中学校を卒業している。

③僕は教育投資ジャーナリストとして、ある程度広い視野を獲得している。

  テーマである「中学受験、小6の夏にやっておくべきこと」を、受験生本人の視線ではなく、教育投資をする側である保護者の長期的視点で語ることは意味があるかと考えますので、解説してみたいと思います。

  尚、本稿は、僕が「リアルタイムで考えた小6の夏」と、「高1の今振り返る小6の夏」の2部構成にしたいと思います。

リアルタイムで考えた小6の夏…戦記氏がお子さんが小6の夏に考えていたリアルな受験戦略

(1)志望校についてはPlan Cまで確保

 娘は小1の最初はサピックス最下位クラススタートだったとはいえ、小1のうちに最上位クラスに浮上して、その後はα1をほぼ維持していました。とはいえ、志望校についてはかなり広く考えていました。

 ブログに残された記録によると、2017年11月5日に「小2/親の会話:2022年2月1日受験校のバリエーションを決定」にて志望校を選択しています。

僕:「(四谷大塚の入試案内を開いて)・・・ということで、2022年2月1日(火)の受験プランを決定した。Plan A、Plan B、Plan C、だ。どうだろうか?偏差値は、上から下までバラした。(割愛)

 なんでもそうだが、仮説を持っておくことにより、間違えたときにすぐに気が付くことができる。娘の小6夏時点でのポジション次第だが、今から議論しても仕方が無い。我々は、夢いっぱいの低学年なので、これから現実に直面することになる。

 上位層にいれば好きな学校を選べるし、併願プランも簡単さ。Plan Aはお決まりのパターン。問題は、上位層にいなかったときの場合。上ばっかり見ていても意味が無いし、幅広く見ておかないと後で困ることになる。だからPlan Cまで考える」

 小2時点で決めた方針に従い、小6の夏までには選択肢としてPlan A、B、Cの3つを持っていました。娘の場合は「自宅から通学しやすい女子校」志望でしたので、具体的に列挙すると以下の通りです。

・Plan A:最難関女子校2校(サピックス偏差値60以上)

・Plan B:頌栄女子(同50程度)

・Plan C:大妻(同45程度)

 各校とも特色がある素敵な学校です。実は、僕がこれまでの人生を通して「友人・知人・同僚という形でOGと絡んだことがある」学校を選択しました。正確には、選択した、というよりは、自然とそうなった、という表現が正しいかもしれませんが。

 中学受験においては、小6に入ってから失速する事例も多いので、小6の夏前まではPlan Cまでしっかり研究することを夫婦で心がけていました。我が家は共働きなので学校説明会への参加は厳しかったり、また2020年コロナ禍の影響を受けて対面での学校説明会が無かったというハプニングもありましたが、Web資料の分析はもちろん、平日の通学風景を観察したり、休日に娘とサイクリングがてら学校の校門前まで走ることで、多くの一次情報を得ることができました。

 娘の場合は、小6の夏休み直前まではPlan Cまでのカードを残していましたので、もちろん「赤本」(声の教育社の学校別過去問題集)もこの4校については売り切れる前に購入しておきました。

 小6の7月のサピックス組み分けテストでα1を維持したことから、この段階で「Plan Aをベースケースとする」ことを家族会議で決定しました。

 今振り返っても思うのですが、Plan Cまで真剣に検討していたことは、良いスタンスだったと思います。どれも素晴らしい学校ですが、全ての条件を満たす完璧な学校というものは存在しません。良い面もあれば、悪い面もあります。特定の志望校に入れ込むことは僕にはできませんでした。

完璧な中高一貫校など存在しない 

(2)第一志望という表現をやめて「第一志望群」とした

 そんなかたちで志望校のベースプランを決定していきましたが、我が家の価値観の転換点は、小6の2021年7月でした。今でも強烈な印象に残っています。

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この記事の著者
戦記

戦記(@SenkiWork)。教育投資ジャーナリスト。ベネッセRouteアドバイザー。2016年3月に当時年長だった娘がSAPIX入塾テストで偏差値42の最下位クラスだったことをきっかけに、アメブロを開始。小1-3で成績のターンアラウンドを実現し、2019年2月(=新小4)からSAPIX α1の常連メンバーになり、2020年(=小5)初頭にはアメブロで月間100万PVを超え、同年8月に独自ドメイン(https://senkiwork.com)で独立。娘の2022年の中学受験終了後も、鉄緑会や英語教育、そして金融教育について研究を継続している。早稲田大学法学部卒、カリフォルニア大学バークレー校MBA。

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