この夏で子供を読書好きに変えるシンプルな方法…知っておくべき特性、「視覚優位」「聴覚優位」「言語優位」

「わが子に読書好きになってほしい」
それは多くの親の共通の願いだ。
子供に中学受験をさせるか、本をたくさん買う余裕があるかといった教育方針や家庭の事情に関係なく、わが子に「読書を通じて自ら情報を獲得できるようになってほしい。心豊かな人格に育ってほしい」とほとんどの親が考えているはずだ。
しかし、その思いとは裏腹に、多くの親が誤ったアプローチをしていると株式会社カルペディエム代表取締役で漫画「ドラゴン桜2」編集担当としても知られる西岡壱誠氏は語る。
「読書に対する考え方・感じ方、文字情報に対する認識の仕方、興味関心の持ち方は親子といえども異なります。わが子の特性を把握し、その子に合った読書スタイルを見つけてやることが親の役目です」
今回は夏休みでわが子を読書好きにさせるには、どのようなアプローチを取るべきか具体的な方法を伺った。みんかぶプレミアム特集「中学受験 夏期講習で伸びるコツ」第7回。
目次
知っておくべき特性、「視覚優位」「聴覚優位」「言語優位」
まず知っておいてほしいのは、「活字が好きな子と嫌いな子がいるのは当然だ」ということです。
人間には認知特性というものがあります。大きく分けると、目でイラストとして見たものを記憶する視覚優位タイプ、耳で聞いたことを覚える聴覚優位タイプ、理解の仕方が、文字情報や言語情報で入ってくる言語優位タイプに大別されます。
わが子がどのタイプに該当するかは、九九の覚え方を見ればわかります。視覚優位の子はパズルみたいな図表で九九を覚える子が多いですし、聴覚優位の子は「一一が一、一二が二」と声に出したリズムで覚える子が多い。
言語優位の子は「九かける二にプラス九をすれば九かける三になる」と理屈で理解して覚える子が多いです。どの方法が正しいということはなく、子供には認知特性があり、特性にあったアプローチがあるのです。
こうした特性は親子や兄弟姉妹であっても異なることが少なくありません。そのため、「上の子のときはもっと難しい本を読んでいた」「両親は読書家なのになんで読まないの?」「友人の子は1時間も集中できるらしいよ」などとわが子と他人を比較するのは絶対NGです。
読書は一度嫌いになってしまうと、取り返すのはかなり大変です。親の役目は子供に合ったアプローチで「次の本を読みたくなる」ように促すことにあるのです。