人気校でも3ヶ月で辞める・・・親が中学受験で知るべき学校説明会の「現実」

御三家、大学付属校、新興共学校、伝統的な学校・・・。私立中学校には数多くの魅力的な学校が存在する。そのなかで、あなたは何校に足を運んだことがあるだろうか。
「中学受験の目的は、わが子に合った中高6年間を手に入れること。それなのに、学校を見て、肌で感じないのはもったいない。現地に行くことで、新しい併願校が見つかったり、子どものモチベーションに繋がったりすることも多いのです」
そう語るのは、中学受験過去問の出版社として知られる声の教育社 後藤 和浩社長だ。
「学校の説明会や入試報告会では、具体的な勉強のアドバイスなど受験にプラスの情報を聞けることもあります。大学進学へのサポート体制など、入学前に知っておきたい情報も入手できるので、行かない手はありません」
今回は学校説明会、文化祭、合同相談会などの賢い使い方を伺った。ぜひ受験校選びに役立ててほしい。全3回の第1回。
目次
第一志望合格者は「4分の1」
学校のリアルな姿に接することには、大きく2つの意味があります。1つは「ここに合格したら嬉しい」と思える受験校を探すため。もう1つは、合格後のリアルな学校生活をイメージするためです。
受験校探しについては、少しシビアな話になります。数年前まで中学受験の第一志望合格率は3分の1と言われていました。しかし、中学受験の加熱によって、受験直前の志望校の変更なども鑑みると、第一志望に合格する受験生は4分の1程度という見方もできます。
後半日程の学校も倍率が高くなり、志望校の偏差値を下げても合格を取りづらいという状況が多発しています。受験校の配分や読みを外し、全滅寸前という危機に陥る受験生も少なくありません。
実際にほとんどの受験日程が終わる2月5日までに合格が出ず、慌てて塾に電話をかけ、「これから受けられる中で、どこか良い学校はないでしょうか」と聞く親御さんが今年も多くいたようです。
このような状況になると、慌ててHPを見て学校を選び、受験前日の夜に試験申し込みをして翌日には受験に向かうことになります。そんな状況で学校を受けに行くのは子どもも親も非常につらいもので、合格しても前向きな気持ちで通えないかもしれません。
中学受験の加熱が続く今、「第一志望だけに集中」「併願校は偏差値3〜5きざみで選んでおけば大丈夫」という安易な考えはかなり危険です。
あらかじめ幅広い偏差値帯から受験校を探しておき、「どこに受かっても良い受験になる」と思えるようにしておきましょう。これは親が果たすべき大事な役割です。