「志望校ばかりを入れていませんか?」著名中受ブロガーが伝授「本気で合格したい人のための模試判定」

「模試は必ず解き直しましょう」
中学受験塾の講師は皆、口を揃えてこう言う。どの塾でも、模試の解き直しの重要性は繰り返し説かれる。
しかし、実際にそれをきちんと実行している家庭が、どれほどあるだろうか。多くの家庭が「偏差値は上がった?」「判定はA?B?」と、数値だけを見て終わってしまっている。
「模試は学力向上につながる最高の教材です。偏差値や合格判定を測るだけのテストだと思っているなら、それは非常にもったいない」。そう語るのは、中学受験ブロガーのゆずぱ氏だ。
ゆずぱ氏は、わが子の中学受験をきっかけに、まったく知識のないところから親子で挑戦。偏差値25からのスタートだったわが子を、最終的には偏差値60以上の志望校に合格させた。本連載では模試の有効活用について掘り下げていく。連載全3回の第3回。
目次
本番で「アウェーの空気」に飲まれないために
中学受験というのは、まだ幼さの残る小学生が、人生で初めて“受験”という舞台に立つ、特別な経験です。
見知らぬ場所で、自分の力だけで試験に臨むという状況は、想像以上に大きなストレスがかかります。だからこそ、模試を「本番の予行練習」として積極的に取り入れておくことが大切です。
とくにおすすめなのは、塾内の模試ではなく、外部の中学校などで実施される会場模試に申し込むこと。会場の雰囲気も、机や椅子の高さも、周囲の子どもたちも、すべてがいつもと違う、そんな“アウェー”の環境に慣れておくことが、本番に向けた大きな備えになります。
うちの子も、何度も模試を受けて場慣れを重ねてきました。それでも本番当日は、カチコチに緊張していました。普段はよくしゃべる元気な子なのに、あの日ばかりは驚くほど無口になっていたのです。あの姿は今でも忘れられません。
「ここまで場慣れを積んだ子でも、やっぱり本番は別物なんだな」と、あのとき痛感しました。もし模試で練習していなかったら、あの緊張はもっと大きな壁になっていたと思います。