大胆に曲げられた「茂」の意味…伝説の経営者松下幸之助と長嶋茂雄「驚くべき共通点」筆跡診断士…大谷翔平とも類似する「情熱と冷静さ」

惜しまれつつこの世を去ったミスタープロ野球・長嶋茂雄さん。数々の記録を残し、多くのタイトルを獲得しただけでなく、ドラマやアニメに至るまで多方面に影響を与えてきた。
なぜ、長嶋さんはここまで愛されてきたのか。そのカリスマ性は彼が遺した数々のサインに表れていたーー。
「長嶋さんは筆跡からしてカリスマでした」
そう語るのは、筆跡からその人の性格や深層心理まで読み解く筆跡診断士の神永沙知氏だ。
「『行動の痕跡』とも称される筆跡には多くの情報が隠れています。フランスで発祥し、欧米では『筆跡心理学』として広く認知されている学問で、その人の行動傾向や深層心理を探る方法として確立しています。長嶋さんも筆跡に意外な側面が隠れていました」
本記事では、野球殿堂博物館に展示されている長嶋茂雄さんの直筆サインの筆跡から、彼のカリスマ性と本当の性格、意外な側面まで読み解いていく。
目次
和を重んじる協調性のある真面目な人物像が浮かび上がる
―――イチローさんと一緒に撮られた写真に書かれたサインの印象からわかる長嶋茂雄さんの強みや特徴を教えてください。
まず、サインのレイアウトからわかることがあります。長嶋茂雄さんの字は全体的に右の空きスペースの中心に配置されています。これは「社交的で常に人の和の中にいる人」ということを表しています。

また、書き始めの筆圧に必要以上の力が入っていないことから、無邪気で素直な人物像が浮かび上がってきますね。
それから、長嶋茂雄さんの字は横に幅広い特徴がありますね。この特徴から、エネルギッシュで行動力があり、のびのびと生きてきた人だということもわかります。
長嶋さんと言えば、現役時代から監督時代、その後も病に侵されながらも、長く野球界で活発に活動してきた方。その特徴が端的に表れていると言えるでしょう。
「茂」の字に着目してみてください。ハネがかなり強いですよね。
ーーたしかに、ハネが強いですね。
実は、今回他の長嶋さんのサインも拝見しましたが、ご病気をされてからでも長嶋茂雄さんの筆跡はハネがとても力強くしっかりとしていました。これは責任感が強く、根性がある人物像を反映しています。
冷静さと情熱を兼ね備えていた
ーー病気を患われてからも筆跡に変わらない特徴があるということですか?