「だから埼玉西武ライオンズは今年も優勝できない」作家・樋口毅宏、2025年シーズンの“悲惨な結末”を断言…その理由

作家・樋口毅宏氏の短期連載「埼玉西武ライオンズへの愛と苦悩」がスタートする。テーマは氏が長年愛するプロ野球球団「西武ライオンズ」だ。かつて常勝軍団として輝いていた西武も、2008年以来日本シリーズに出場できていないどころか、近年は「Bクラス確定」が続いている。そんな厳しい現実に直面しながらも、変わらぬ愛情を注ぎ続けているが、樋口氏はシーズン途中にもかかわらず「今年も優勝できない」と断言する。見つめるその先に、なぜ「絶望」が待っているというのだろうかーー。

目次
デジャヴのように繰り返される悪夢…西武ライオンズ、2025開幕戦
「終わりだ……今年も終わった」
2025年4月3日の私のつぶやき(X)である。
何が終わった?今シーズンの西武ライオンズのことだ。開幕から4連敗し、途方に暮れた。今年もまた地獄なのか……と。
去年、一昨年、西武ライオンズはどん底の底に堕ちた。
西武ファンには今更説明するまでもないが詳しくない方にお話しすると、かつて“常勝軍団”と呼ばれた西武ライオンズは球団創設以来、暗く長い低迷期の真っ只中にいる。
2018、19年と辻発彦監督により優勝したもののCSでソフバンに掻っ攫われてから、暗路を手探りで進んできた。
2023年、満を持してスーパースター松井稼頭央が監督に就任したものの5位。挙げ句、昨年はシーズン途中で更迭。GMの渡辺久信が監督代理を務めるもチーム状況は回復せず、負けて負けて負け続けた。マジで「1週間に1回も勝たない」とかフツー。
私は毎日夜11時、CS「プロ野球ニュース」を妻の三輪記子(ふさこ)と見るのを就寝前の清涼剤としている。しかし西武が負けた日は悔しくて見ない。そうなると妻も「見ない」というので巨人ファンの彼女に申し訳なく、セリーグのダイジェストだけは付き合う(ふさこは巨人が負けた試合でも見る。なんたる忍耐力だ。あ、だから私と結婚しているのか)。
西武が勝った日だけは「プロ野球ニュース」ノーカット版を見る。ソフバンに負けた試合など、わざわざ見直すことはない。見たら死ぬ。
以前は好きだった福岡。ソフトバンクホークスの存在がすべてを変えた
誓って言えるが私はこんな狭量な人間ではなかった。“雑司ヶ谷でいちばんの博愛主義者”と呼ばれるほどで、今の妻、元カノ、前の妻から「お人好し」と言われてきた。
しかし2年連続西武が優勝を勝ち取りながら、工藤公康監督率いるソフバンに日本シリーズ進出の機会を奪われてから、ソフバンは人生の怨敵になった。
私はそれまで福岡が好きだった。街のゆったり感、人の穏やかさなど、「こっちに引っ越してもいいな」と思うほどだった。ましてや私を作家に導いてくれた白石一文をはじめ、人生の恩人と思える方たちは福岡にルーツがある人たちばかりだ。
だがしかし、ソフバンが西武を踏み台にした2019年以降、寝るときも福岡に足を向けている。
ふさこと別れることがあっても、次の女性がソフバンのファンだったら付き合わない。私にとって異教徒だから。
新監督&コーチの就任、そして期待の若手が台頭。今年は調子が良い
ふう。ここまで書いて、私の西武ライオンズ愛の本気度がわかって頂けますか?何の話をしてましたっけ。そうだ、開幕4連敗で頭を抱えた話の途中でした。
去年まで二軍監督だった西口文也が一軍監督に就いた。