中学受験するなら知っておくべき!プロが教える「特進コースの入り方」

中学受験では進学校、伝統校、大学付属校など、さまざまな選択肢が存在する。そのなかで魅力的な選択肢の一つが「特進コース」のある学校だ。大学受験に特化したクラス編成やカリキュラムを特徴とし、中堅校に設置されているケースが多い。
「大学受験に向けて6年間手厚く見てくれる学校が多いので、保護者から見るとお得な進学先になるかもしれません。しかし、学校によって制度や進学実績がかなり違うので、選ぶうえでは慎重な検討と情報収集が必要です」
そう語るのは、中学受験過去問の出版社として知られる声の教育社 後藤 和浩社長だ。
志望校、併願校として「特進コース」をどう探すべきか。正しい選び方とは。連載全3回の第1回。
目次
大学合格実績に特化した教育
私立中高一貫校に進学させる理由は、ご家庭によってさまざまです。「建学の理念に共感した」「学校の文化祭に行って気に入った」「憧れの人が卒業している」など学校を選ぶポイントは人によって違います。
ただ、多くの方に共通しているのは「できるだけ大学合格実績のしっかりした学校に進学させたい」という思いではないでしょうか。近年は、学校の面倒見の良さを重視する親御さんが増えており、安心してわが子を難関大学合格に導いてくれるような学校に人気が集まっています。
そんななか、学校選びのポイントのひとつとなるのが、「難関大学進学コース」や「東大クラス」、「医学部コース」といった「特進コース」です。大学合格実績を高めるために、優秀な生徒を選抜し、特別なカリキュラム、優秀な講師が用意されています。こうしたコースは広尾学園や栄東のような上位校から、偏差値50前後まで幅広い学校に設置されています。
「特進コース」の特徴は、何と言っても「6年後の大学受験に向けて頑張る」という意識統一ができている点、そして難関大学合格のための支援制度が整っている点にあります。
一般クラスに比べて授業数も多いですし、進度も速い。定期テスト前後の補習も充実しています。夏休みには予備校講師が来て無料で授業をしてくれる学校もあるなど、手厚い指導を受けることができます。
夜遅くや長期休みに使える自習室があったり、学内に予備校があったりと学習インフラが充実している学校もあります。
中高一貫校は中3〜高2くらいまで「中だるみ」が生じやすいですが、学習をきっちり続ける環境は親としても安心でしょう。