エセ理系中高一貫女子校とガチ理系校の違いと見分け方を気鋭の教育ジャーナリストが暴露…ガチ理系女子中高一貫校から東京科学大や理科大に多数合格の秘訣

教育業界には「理系ブーム」が起きていると言えよう。子が理系学問を学べば、将来の職業選択に有利だ、という親の考えからだろう。
しかし、教育ジャーナリストの四谷代々氏は「中高一貫女子高の中には、理系教育に力を入れていると謳ってはいても、“ガチ理系校”と“エセ理系校”が存在します」と暴露するーー。みんかぶプレミアム特集「キャリアから考える中学受験の最強戦略」第9回。
目次
伝統的な中高一貫男子校は「中身がある」と再評価されている
中学受験の女子校の動向は不可思議に満ちている。
男子校の場合、偏差値50前後の学校、新宿の成城、獨協、高輪、世田谷学園はどこも生徒を自立した社会人に育てるべく、まずは基礎学力を伸ばそうとしっかり勉強をさせていく。理系の授業のレベルが高く、医学部進学者も多い獨協が志願者を集めている。
コロナ禍前に共学ブームがあったが、男子校に関しては全体的に人気が復活している。インスタ映えするチャラい探究学習やお洒落だが高いカフェテリアを売りにしている共学の新興校よりは、伝統的な男子校の方が「中身がある」と再評価されているのだ。
しかし、伝統ある女子校人気は男子校ほどには復活していない
一方で、女子校人気は男子校ほどには復活していない。
そして、女子校の人気動向は実に謎に満ちている。
偏差値上位層は洗足や頌栄といった「しっかり勉強をさせる学校」が人気がある。豊島岡や吉祥女子なども同じ理由で人気がある。
ところが、だ。偏差値50台になってくると人気の原因が分からない学校がある。先に述べたように男子校は偏差値50前後の学校の場合、保護者は「ちゃんと勉強させて、自立した社会人に育ててほしい」と願うが、女子の場合、どうも違うのである。
性的役割分担がないとされる現代に、中学受験の中堅校動向はまだまだ男女で差がある。
今回は中学受験の中堅女子校の謎だらけの人気動向を解説しよう。なお、偏差値はすべて四谷大塚の2月1日偏差値である。
ここ5年で急激に偏差値が上がってきた中堅女子一貫校とは
中堅女子校で偏差値が上がっているのが山脇だ。2020年の偏差値は45だったが、2025年10月の偏差値は53.8ポイントも上がっている。