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元アイドルが海外トップ大学院を経て、米金融会社の機械学習エンジニア(ML職)に華麗に転身した経緯

 教育ジャーナリストの濱井正吾さんが、「学歴ロンダリング」をして、人生が好転した人を取材する連載「濱井正吾 人生逆転の学歴ロンダリング」

 今回は、早稲田大学社会科学部を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の大学院であるHaaSビジネススクールに進学。卒業後は米国金融会社での機械学習エンジニア(ML職)を経て、現在は個人投資家・インフルエンサーとして活躍するonodelaさんにお話を伺いました。全2回の第2回。

目次

海外の大学院は日本の入試とはまるで違った

 コロナ禍が猛威を振るった大学3年生の年にカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の大学院、HaaSビジネススクールを第一志望として受験勉強を始めたonodelaさん。

 アメリカの大学院の入試は、学校ごとに選考基準が大きく異なり、裁量の幅も日本よりはるかに自由です。そのため「日本の入試とはまったく別物だと考えた方がいい」と彼女は語りました。

「アメリカの大学は筆記試験がないところもあります。重要なのは自分の実績をアピールする履歴書のような書類と、志望理由書でした。履歴書はその人となりを一番見られるもので、たくさん文字数を書いたからいいというものではなくて、内容をしっかり見られます。私は、何の実績もないただの大学生でしたが、アメリカの大学院に選んでもらうために、ヘッジファンドでインターンしていたことを履歴書に書いた記憶があります。志望理由書には、『私はこんな感じの学生で、金融系のインターンをこの場所でして、大学院に入ってから数学やプログラミングを学びたいです。なぜなら、大学の授業では金融をたくさん勉強してきたものの、数学やプログラミング、金融工学の実力がまだ足りないからです。この大学院で勉強し、将来は数理系のヘッジファンドで働きたいです』という内容を書きました」

 また、併願では、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、マサチューセッツ工科大学(MIT)、コロンビア大学、シカゴ大学なども受験しました。

共通試験「GRE」と、発展的内容が問われる面接の試験を突破する

 コロナ禍だったこともあり、筆記試験を課さない大学もある中で、カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の大学院は、北米の大学院へ進学する場合に必要となる共通試験、「GRE」の英語と数学に加えて、面接試験もありました。

「GREの英語はアメリカ人も受ける英語試験なので、日本の英語試験とは別物です。とにかく受験対策はGREの問題集をやっていました。実際の英語力とGREの点数は必ずしも直結しないと思いますが、昔から英語が一番得意な科目だったことは救いでした」

 UCバークレーの面接試験では、2つのことが問われたそうです。

「1つ目は、履歴書に書いてある内容の延長の内容を問われました。大変だったのは2つ目で、どんどん数学やプログラミング、統計などの質問を試験のような感じで出してくる口頭試問でした。統計は興味のある分野だったので、大学1年生のときから授業を取っていたのが良かったですが、プログラミングの勉強はやっていなくて、大学3年生になってからやり始めました。統計もプログラミングも、ネットで得られる情報をもとに対策をしていました」

 こうして彼女は第一志望であったUCバークレーに合格。併願のUCLAとコロンビア大学にも合格したものの、当初からの希望であったUCバークレーのHaaSビジネススクールに進学を決めました。

海外トップ大学院に進学してからは、可能性は確かに広がった

 大学院では「周囲がみんな一生懸命やっているので、自分もそれについて行ったり息抜きしたりの生活だった」とonodelaさんは語ります。さまざまな国籍の友達もできたようで、一度学部生時代にコロナ禍で失われたキャンパスライフを楽しみました。

「UCバークレーに金融工学のクラスは1つだけで、80人でした。授業が変わっても同じように固まって受けるので、クラスの人たちとは仲良くなれました。学校のスケジュールはとても忙しく、全員が授業に全力で取り組んでいました。周りも寝る暇がないほど勉強していたので、ついていくのが大変でした。大学院にいるときはそれが当たり前でしたが、今思うと当時はめちゃくちゃ勉強していたと思います」

 自分が行ける範囲で一番上の大学に行くことで、「世界が広がるし、自分の可能性を知ることができると思った」と話していたonodelaさん。UCバークレーの大学院に進学してからは、その可能性は確かに広がったようです。

「大学時代と単純に比較はできていませんが、自分の世界は広がったと感じます。普通に大手の会社が大学にスカウトしに来たりして、直接企業に入るチャンスがいっぱいありました。就職以外でも、有名な学者と直接お話しできたり、学校のイベントで有名な銀行に直接訪問して交流会に参加したりするなどの機会がいっぱいありました」

 勉強を頑張る日々の中で、特別な機会をたくさん経験できた彼女は、卒業式で学生代表としてスピーチをした後、現地の金融会社で機械学習エンジニア(ML職)に就職します。プログラミングの技術を活かしてAIを作る仕事を1年程度続けたのち独立し、現在は自分で投資や金融事業をする傍ら、インフルエンサー活動をしています。

大学院を卒業したことで、現在のキャリアに繋がった

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この記事の著者
濱井正吾

教育ジャーナリスト。兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学。卒業後は会社員と並行して受験勉強に取り組み、受験費用300万円を貯める。退職後は受験勉強に専念し、合計9浪後に早稲田大学に合格し、教育学部国語国文学科に入学する。早大卒業後は教育ジャーナリストとして活動している。

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