「あの事件はどう考えても不自然」新宿二丁目住人・吉田豪の目に映った“草間リチャード敬太露出騒動”
2025年10月4日早朝、アイドルグループ「Aぇ! group」の草間リチャード敬太が東京・新宿2丁目の雑居ビル前で下半身を露出していたとして、通報・逮捕されたというニュースが報じられた。現場はゲイバーが集まる、いわゆる“二丁目エリア”の中心地。早朝5時台という時間を考えても、通行人の少ない場所での通報や映像の拡散には、どこか不自然さが残る。長年この街で暮らしてきた吉田豪氏は、現場の空気を肌で知る立場として、今回の一件に「気になったことがある」と語る。
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目次
「通報するほうがおかしい」不可解な報道内容
草間リチャード敬太さんが、新宿の路上で早朝「裸でいた」と通報されたっていうニュース、最初なんだろうと思ってちょっと調べたんですよね。その時点では「新宿区のビル」って書いてる記事が多かったんですけど、掘り下げていくと新宿二丁目で、しかもフレディ・マーキュリーも通っていた「九州男」という伝説的なゲイバーが入っていることで知られる、ゲイバーとハッテン場ぐらいしか入ってないビルの入口だった、と。1階がゲイグッズ専門店『ルミエール』だと言えばわかる人にはわかるはずなんですけど、要は二丁目のど真ん中にある思いっきり“そっち”のビルなんです。
しかもよく調べたら時間も朝5時台で、通勤時間に入ったぐらいだったらともかく、あの時間帯のあの場所って、ぶっちゃけ通報するほうがおかしいぐらいの世界なんですよね。もっと言うと、出入り口はそのビル脇の細道なわけで。その時間のそこにいるのは、いわば同好の士ぐらいのもの。普通なら「ああ、酔っ払ってテンション上がっちゃったのかな」ってスルーされるぐらいの光景なんです。なのに、いきなりそれらしき写真が出回って、動画まで撮られている。めちゃくちゃ引っ掛かるんですよね。服がなくて困ってそうにも見えたから、服を隠されたところをいたずらされて撮られたって説も広まってますけど、それもあるんじゃないかってぐらいにボクは思ってます。
いろんな光景はある…それでも「平和ないい街」
やっぱり20年ぐらい二丁目に住んできた人間として思うのは、やっぱりあの事件はどう考えても不自然なんですよ。あの界隈って、朝方に上半身裸で歩いてる人なんて普通にいるし、さすがに下半身まで脱いでる人はめったにないけど、路上で寝っ転がってハードに絡み合ってるぐらいならよく見ます。羽目を外している人が多数派なので、そんなことで誰も通報なんかしない。むしろ「また誰かやってるな」ぐらいの感覚です。ノンケの通行人なんてまずいない時間帯で、通報されていることがまずおかしいんです。
ボクもあの街ではいろんな光景を見てきたけど、通報しようと思ったことは一度もないですよ。暗い裏道で深夜、上半身裸の外国人がまっすぐこっちに向かって来て知らない言葉で口説かれて恐怖を感じたこともあったけど、ノンケなのにその街に住んでいるボクのほうが悪いし、何年住んでもずっとアウェイでした。「その気もないのに住んじゃってすいません」って気持ちをずっと持ってるし、コンビニの外国人店員とゲイのお客さんの喧嘩を止めに入って、警察が来てから代わりに事情説明したことはありますけど、介入したのはそれぐらいでした。暴力沙汰も少ないし、深夜でも人がいるし店もやってて平和ないい街なんですよ。