教育投資ジャーナリスト「サピックスは適性を知るためのリトマス試験紙である」ChatGPTの登場が変えた、教育投資の「ポイント・オブ・ノーリターン」

生成AIの台頭、不透明な日本経済、そして激変する大学入試。昨日までの「正解」が今日には通用しなくなる過酷な時代において、親は子供をどう導けばよいのか。
X(旧Twitter)で2.3万人のフォロワーを抱える教育投資ジャーナリスト・戦記氏。日々、SNS上で凄まじい反響(インプレッション)を巻き起こす氏の言説は、時に「炎上」とも呼ばれるが、その根底には冷徹なまでの現状分析と、我が子の未来を見据えた圧倒的な当事者意識がある。著書『中学受験の“不都合な真実”: サピックス、鉄緑会、早期英語の真価 (みんかぶマガジン新書)』の売れ行きも絶好調な同氏に、バズる投稿の裏側にあるロジックから、AI時代に求められる「英語」の本質、そしてサピックスを軸とした適性見極めの戦略まで、余すところなく語ってもらった。全2回の第1回。
みんかぶプレミアム特集「幸せをつかむための中学受験戦略」第2回。
目次
自然体が生む「100万インプレッション」の正体
――戦記さんは日々X(旧Twitter)で大きな反響を呼んでいますが、投稿する際に「バズ」を意識されているのでしょうか。
全く意識していないんです。意図的に狙うのではなく、あくまで自然体で、日常生活の中で感じたことや、自分の周囲で見ている光景を自分の言葉に置き換えて言語化しているだけです。それがなぜか、インプレッションが伸びたり、時には激しい議論を呼んで「炎上」のような形になったりします。
最近で言えば、「親が自由に生きていない人が、子供に自由に生きろと言うのはおかしい」といった趣旨の投稿が100万インプレッションを超えるほど拡散されました。そこから議論が発展して、中国と日本の構造の違いや、理系・文系のどちらが将来的に有利か、といった大きなテーマにまで繋がっていきました。
「銀座に理系がいない」――日本経済の敗因と理系の現実
――理系と文系の議論は非常に熱いテーマになりましたね。戦記さんは日本の現状をどう見ていますか。
私は文系・理系の区分自体が日本独特で、一度分岐すると戻りにくい構造になっていると感じています。私がSNSで発信したのは、せっかく理系として高い能力を持っていても、メーカーの技術職や研究職に行くとしばしば過酷な人生が待っている場合が多い、という懸念です。
日本の敗因とも言えるのは、経済の中心である丸の内や銀座を歩いている高年収層の多くが文系であり、優秀な理系の多くが地方の工場や研究センターに留まっているという現実です。もちろん、30代や40代であればITやコンピュータサイエンス(CS)の分野で高い自由度と収入を得ている層もいますが、50代に近づくと「買い殺し」の状態になっている人が少なくないと感じます。
ChatGPTの登場が変えた、教育投資の「ポイント・オブ・ノーリターン」
――今はAI(ChatGPTなど)の登場で、将来の仕事のあり方も大きく変わろうとしています。