東大理三卒医師「明確な夢がないなら、就活偏差値の高い、まともな大手企業に入ることがキャリアの正解だ」結局、親は子供にどんな教育・進学ルートを歩ませるのが正解なのか

かつてないほど「教育の質」が問われる現代、中学受験や大学受験の成功は、単なる知識の蓄積に留まらず、その後のキャリア形成における決定的なアドバンテージとなっている。特に、激動する社会を生き抜くための「選択肢の自由」をいかに手に入れるかは、多くの親子にとって切実なテーマだ。
今回は、開成中・高から東大理三へと進み、現在は医師として活躍するさぐさぐ氏にインタビューを敢行。初の著書『東大理三の受験論: 中学受験、大学受験の最強攻略法 (みんかぶマガジン新書)』の売れ行きも好調な同氏に、仕事の解像度をいかに上げるべきかというキャリア論から、医学部や名門私立校に脈々と流れる「校風」という名の見えない資産、さらには都心の教育市場で繰り広げられる過酷な「マウント合戦」の裏側まで、当事者の視点から赤裸々に語っていただいた。全2回の第2回。
みんかぶプレミアム特集「幸せをつかむための中学受験戦略」第6回。
目次
キャリアの「解像度」を上げることの重要性
――さぐさぐさんは、親は子供に対してどのような姿勢で職業や将来について話すべきだと考えていますか?
最も重要なのは、世の中にある選択肢を認識させること、そしてその選択が将来どのような結果(年収や生活設計)をもたらすのか、その「解像度」を上げてあげることだと思います。 例えば、子供が「プロサッカー選手になりたい」と言うのは素晴らしいことです。しかし、同時にプロになれる確率や、成功した場合・失敗した場合にそれぞれどのような人生が待っているのか、といった現実的なデータもセットで教えるべきです。これは決して子供の夢を奪う行為ではなく、現実を知ることで「本当の意味での自由な選択」を可能にするための支援だと考えています。
――「弁護士になれば年収1500万稼げるが、この試験を突破する必要がある」といった具体的な提示ですね。
その通りです。子供は実社会での仕事がどのようなものかを知りません。実務経験のある大人が、各職業のメリットやリスクを具体的に伝えてあげることは、子供にとって非常にありがたい資産になります。
子供に「やりたいこと」がない場合の戦略的アドバイス
――もし、子供自身が「将来何をしたいかわからない」と迷っている場合、親はどう導くべきでしょうか?
私はあえて保守的なアドバイスをします。将来の夢が明確にない時点で、その子は「人と違うことをして道を切り拓くタイプ(天才肌)」ではない可能性が高いです。その場合は、無理をして独自の道を模索させるよりも、まずは「大学を現役で卒業し、いわゆる就活偏差値の高い、まともな大手企業に入ること」を目標に据えるべきです。
――「こだわりがないなら、世間が良いと認める場所に行け」ということでしょうか。
はい。こだわりがないのであれば、社会的な評価が確立されている場所に行くのが最も安全なキャリアの土台になります。新卒で入る会社は、その後の職業人生において非常に重要で、たとえ転職するにしても「最初の会社」が基準として見られます。そのために「簿記」や「TOEIC」といった実利的なスキルを磨いておくことは、新卒カードを有利に切るための非常に合理的な手段です。
「校風」という見えない資産と、選抜の有効性…医師の世界でも「校風」が重要なシグナルとして機能している
――学校選びにおいて「校風」という言葉がよく使われます。これは単なる噂話ではなく、実際に存在する影響力なのでしょうか。