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「YouTubeに来たら独占される」「狂気の生放送」天才・藤井健太郎に全テレビマンが屈する理由…街録ch三谷三四郎が思う「彼を脅かす次の番組」とは

 地上波からNetflix、さらにはAbema、U-NEXTまで――。コンテンツが乱立する今、人を真に熱狂させるのは「面白い」の先にある「ヤバい」番組だ。1000人以上の剥き出しの人生を記録し続けてきた『街録ch』ディレクター・三谷三四郎が、エッジの効いた一作を独自のバイアスで読み解く。

 連載「今、ヤバい番組」第3回は、地上波バラエティを席巻するあの番組、そして同番組を脅かす存在について考察する。

目次

『水曜日のダウンタウン』異様な「生放送」が炙り出したもの

 1月末に『水曜日のダウンタウン』で行われた「きしたかの高野 10m飛び込みチャレンジ生放送」。元々は「紙飛行機×高飛び込みキャッチ」という、プールの飛び込み台高さ10mから紙飛行機を飛ばし、その後自らも飛び込み、落ちてくる飛行機をキャッチできるかというチャレンジ企画。そこで、参加者で唯一、2日間に及ぶ撮影期間の中で、恐怖のあまり10mの台から一度も飛べなかったきしたかの・高野さんを、10m飛び込みリベンジさせよう、それも生放送で! という異色の企画だった。

 テレビの生放送といえば、ニュースやスポーツ中継、バラエティではお笑いの賞レースや期末期首の特番などが挙げられる。しかし、レギュラー回で緊急性を要するわけでもなく、飛び込み台から1時間以内に飛ばなければならないプレッシャーを与えるためだけの生放送など、他で聞いたことがない。『27時間テレビ』のような大型特番の生放送の中で、「放送中にクリアできるか」というチャレンジが行われることはある。しかし、それは中継で繋いでその様子を覗き見し、別の企画を進行しながら合間に進捗を見るというもの。今回はスタジオと中継を繋ぐこともなく、普段の放送のようにMCの浜田さんもいなければ、パネラー陣もテレビ的なセットもない。

 広々としたプールと飛び込み台の上に、水着姿の高野さんと、プールサイドに進行の女性アナウンサー2人きりという、地上波午後10時からの生放送とは思えないキャストの少なさでのスタート。この設定も、この生放送の異様さを際立たせており、『水曜日のダウンタウン』ならではすぎるセンスが、テレビ番組離れしたネットウケを産み出し、度々トレンド入りを果たしている。

テレビとYouTubeの「黄金の中間地点」

 また、1週目の生放送中に、きしたかの高野に本人の携帯を渡し、X(旧Twitter)での反応を見せる件(くだり)も秀逸だった。あえて放送中の画面に、Xのタイムラインを載せることなく、高野の読み上げのみで紹介する。カメラ台数や使っているロケーション、進行をアナウンサーが行うなど、通常のテレビ放送としては簡素だが、YouTuberのバラエティ企画動画の中では最高峰のコスト感。従来のテレビと、2026年段階におけるYouTubeのリッチコンテンツのちょうど真ん中くらいのコスト感と画面のルックスが、どこのプラットフォームでも見たことのない仕上がりになっていた。

 そして翌週も「擬似生放送」という形で2週にわたって放送されたのだが、1週目と全く同じクオリティで、特に追加で煽りのテロップや効果音を入れることなく、当日準備していたのであろう最低限の生放送用のテロップで、本当の擬似生放送としてお送りしているそのセンスにも感動した。2週目で、「本当の生放送でないから」と追加でCM前に煽りのテロップだったり、残り何分のテロップなどを入れて編集し、中途半端に画面のクオリティを上げると、一気に視聴者が冷めてしまう。テロップ・効果音を追加する編集をする時間はあるが、あえてしないという番組作りに美学を感じる。

 予算が少なくなってきたテレビの現状すらも「今年度の予算が尽きたので再放送」と、前週の「清春の新曲、歌詞を全て書き起こせるまで脱出できない生活」をほぼ再放送したりすることで、番組内容の外の枠組みすらも遊びにしているところも凄さの一つだ。そして全く同じものを放送するわけではなく、7箇所のみ変更を加えた「間違い探し」形式で、先着50人にグッズをプレゼントするなど、サービス精神もある。『水曜日のダウンタウン』は定期的にテレビという枠組を使っての遊びを発明し続けていることで、年々、番組自体のカリスマ性は増している。

 そんな『水曜日のダウンタウン一強時代』が続く地上波バラエティの世界だが、その存在を脅かす番組はないものかと、私なりに考えてみた――。

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