売上を上げる、残業を減らす・・・ビジネス数学の第一人者が教える「社会人が身につけておくべき数学力」

「数学なんて社会に出てから使わない」
そう思っている人ほど損をしているかもしれない。
効率的に仕事を進める人、合理的な投資判断ができる人、新しい解決策を出せる人、こうした「デキる人材」に共通するのが、数学的思考力だ。
「数学的思考力とは、単に難解な受験問題を解く力ではありません。複雑な状況を図式化して考えたり、抽象化して理解したりする力です。日々の仕事や投資、買い物など幅広い場面で役に立ちます」
そう語るのは、ビジネス数学の第一人者で永野数学塾を主宰する永野裕之氏だ。この力を持たない人は、キャリアでも資産形成でも大きな機会損失につながりかねない。
今回、永野氏に数学的思考力を測る問題を6問用意してもらった。ぜひチャレンジしてみてほしい。連載全3回の第1回。
目次
身につけておくべき「3つの思考力」
社会人に必要な数学力は3つあります。
1つ目は「構造化する力」。複雑な問題を分解して整理し、「原因は何か」「どう解決するか」を明確にする力です。
2つ目は「本質を抽出する力」。具体から抽象へ、抽象から具体へと行き来する力です。個別の成功事例から共通するパターンを見つけたり、逆に抽象的な理論を目の前の状況に当てはめたりする力です。
3つ目は「伝える力」。自分の考えを相手に理解させる力です。同じデータでも、相手の立場や知識に合わせて説明の仕方を変えられるかどうかで、提案が通るかどうかが決まります。
これらの力を持っているかどうかで、判断の質、思考の深さが大きく変わってきます。
それでは、まず「構造化する力」を測る問題からやってみましょう。
【問題1】「売上を上げろ」をどう分解するか
あるカフェの売上が落ち込んでいます。店長から「売上を上げるための施策を考えてほしい」と言われました。
売上向上策を検討するうえで、まず「売上」を式で表すことにしました。
(1)「売上 = ◯◯ × △△」の◯◯と△△に入る言葉は何ですか?
(2)◯◯と△△は、どのような要素で構成されていますか?
それぞれ式で表してください。
【問題2】「残業地獄」から抜け出す整理術
チームの残業を減らすために、上司から「残業を減らせ」と指示されました。
多くの人は「会議を減らそう」「早く帰ろう」と表面的な対策を考えがちです。しかし、それでは一時的な効果しか得られません。そこで、まず1ヶ月の全業務を整理して、どの業務を削減すべきか判断することにしました。
業務をどのような観点で分類すべきですか?