やっぱり社会人も数学が大切!ビジネス数学の第一人者が教える「大人で困らない」ための数字の使い方

「数学なんて社会に出てから使わない」
そう思っている人ほど損をしているかもしれない。
効率的に仕事を進める人、合理的な投資判断ができる人、新しい解決策を出せる人、こうした「デキる人材」に共通するのが、数学的思考力だ。
「数学的思考力とは、単に難解な受験問題を解く力ではありません。複雑な状況を図式化して考えたり、抽象化して理解したりする力です。日々の仕事や投資、買い物など幅広い場面で役に立ちます」
そう語るのは、ビジネス数学の第一人者で永野数学塾を主宰する永野裕之氏だ。この力を持たない人は、キャリアでも資産形成でも大きな機会損失につながりかねない。
今回、永野氏に数学的思考力を測る問題を6問用意してもらった。ぜひチャレンジしてみてほしい。連載全3回の最終回。
目次
相手を黙らせる「数字の使い方」
数字やデータは、今やAIが瞬時に出してくれます。しかし、その数字を相手に伝え、理解させ、納得させるのは人間にしかできません。
たとえば「成功確率は50%です」と言われたとき、どう感じるでしょうか。「半分も成功する」と思う人もいれば、「半分は失敗する」と不安になる人もいます。同じ50%でも、伝え方次第で相手の判断は大きく変わるのです。
会議でも、投資判断でも、相手を納得させられるかどうかは、数字そのものではなく「どう伝えるか」にかかっています。専門用語をそのまま並べても、相手の理解レベルに合わなければ意味がありません。
データを相手が理解できる形に変換し、説得力をもって伝える。この力があるかどうかで、提案の通りやすさは大きく変わります。
では、あなたの「伝える力」を測るため、次の問題を解いてみましょう。
【問題1】この結論、どこが間違っている?
ある大学入試のデータがあります。
● 受験生全体:現役生70%、浪人生30%
● 合格者全体:現役生75%、浪人生25%
このデータを見て、「浪人生は30%のうち25%が合格している。合格率は約83%だ。1年余分に勉強しているんだから、浪人生の方が有利だ」と結論づけました。
この結論は正しいでしょうか?どこに問題があるか説明してください。
【問題2】「90%成功」を上司にどう伝えるか
ある投資案件の成功確率が「90%」というデータが出ました。
上司に報告する際、単に「90%です」と言うのではなく、相手が「それは安全だ(あるいは、意外と危ない)」と直感的に判断できるように説明してください。