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「もう、アカン」ついに大阪を捨てたパナソニック…ソニーと雲泥の差に”どうしてこうなった”

 西のパナソニックと東のソニー。言うまでもなく日本を代表するグローバル企業の両雄だが、現在の事業業績は対照的だ。「みんかぶプレミアム:特集『大阪沈没~名古屋に完敗、福岡に抜かれる』」第5回は、長年家電メーカーの取材を続ける経済誌編集記者・関慎夫氏が、シャープを加えた家電大手3社それぞれの現状を解説、東西企業でなぜこれほどの差がついてしまったのかを解き明かす。

目次

円安直撃の電機業界も、業績は東西で明暗分かれる

 電機大手8社の中間決算が出揃った。8社中、増益企業はわずか2社という渋い結果だった。本来、円安は電機メーカー、特に海外売上比率の高い家電メーカー3社(ソニーグループ、パナソニックホールディングス、シャープ)にとっては追い風のはず。しかし恩恵を受けたのはソニーだけで、パナ、シャープの在阪2社はともに減益だった。この差は、新しいビジネスモデルづくりに成功したソニーと、従来型ビジネスモデルから抜けきれない在阪2社の違いといっていい。

 円安は、売り上げや利益の円換算を膨らませるが、一方で輸入部品価格などの上昇という副作用もある。パナ、シャープは、その副作用の影響で減益となった。

 しかしソニーの場合、副作用は相対的に小さかった。ソニーは今でもテレビなどの家電製品もつくっているが、主力事業はリカーリングビジネスとなっている。つまり、ネット経由でゲームや映画、音楽などコンテンツを定額で販売するビジネスだ。従来型家電販売の場合、商品が売れれば売れるほど、部品購入額も大きくなるが、リカーリングビジネスの場合、売れた分が利益に直結する。

売り上げ10兆円突破確実に…名実ともに日本最大の電機メーカーとなったソニー

 十数年前まではソニーもパナやシャープと同じだった。ソフト部門を持ってはいたが、あくまで主力事業はエレキ部門という位置づけで、韓国メーカーなどの台頭で競争力を失い、赤字を垂れ流し続けていた。それを変えたのが、2012年に社長に就任した平井一夫氏と、平井氏に請われソネット社長からソニー副社長に転じた吉田憲一郎氏(現社長)だった。

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この記事の著者
関慎夫

1960年新潟県生まれ。横浜国立大学工学部情報工学科中退。流通専門誌を経て1988年(株)経営塾入社。2000年から延べ10年にわたり『月刊BOSS』編集長を務める。2016年に(株)経済界に転じ『経済界』編集局長に就任。電機、自動車、流通、IT業界などを中心に、これまで数百人以上の企業トップ、要人へのインタビュー実績を持つ。

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