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山崎元「金融機関破綻の可能性」…2023年最大の買い場「金融パニック相場」はいつ訪れるのか

 株式投資で成果を出すためにも、やはり気になるのは今後の株式市場の動向だ。昨年12月の日銀・黒田東彦総裁の緩和縮小発言以来、株価は軟調だが、山崎元さんは、「今は耐えるとき」と話す。だが、「こんなときこそチャンスがやってくる」とも。株式投資家必見、プロが伝授する意外な盲点、2023年の株式投資必勝法とは。

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「FRB」には逆らうな…2023年の投資は “耐える時間” から始まる

──ところで、いまの相場に関してはどのようにお感じでしょうか。世界的なインフレが進む中で、日銀もついに金融緩和の修正へと動き、株価が大きく調整していますが。

山崎) 基本的には厳しい状況と思っています。12月の日銀会合でYCC(イールドカーブ・コントロール)の範囲を拡げましたが、大きな流れとしては、今後、金利は上がらざるを得ないでしょう。バブルの崩壊や金融破綻に結びつくのかどうかは、現時点ではなんとも言えませんが、現在の世界の金融情勢を見ると、FRB(米連邦準備理事会)は利上げを続けて、日銀は少し遅れるかもしれないけど、金融緩和を縮小する方向に動く。そうなると株式や不動産など、資本財の価格に対する影響はネガティブだと考えざるを得ない。

 そもそも、金融政策のサイクルを考えてみると、経済が低迷すると金融緩和で対処し、過熱してバブルが起きそうになったら金融引き締めによって景気を抑えます。それでまた経済が低迷すると金融緩和をする、という経過を辿(たど)るわけです。

 近年の流れで見ると、リーマン・ショックが起こって、それに対処するために世界的な金融緩和を続け、徐々にバブルに向かいつつあった。それがコロナで “強制終了” された。ところが今度は、より強力な金融緩和を実施し、アメリカでも財政の大拡張をやって “強制起動” をしたわけです。金融緩和だけでなく財政まで動かしたものだから、緩和の成果が大きくなり過ぎて高インフレにつながった、という流れですよね。

 そこでまた金融引き締めで景気を抑えようという局面ですから、普通は株価が上がりにくい。株の世界では「FRBに逆らうな」という格言がありますが、いまは、サッカーの試合でよく言う “耐える時間帯” なのだろうなと思います。

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この記事の著者
山崎元

経済評論家、株式会社マイベンチマーク代表。1958年北海道生まれ。81年東大経済学部卒。三菱商事に入社、その後、野村投信、住友信託銀行、シュローダー投信、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12回の転職を経て楽天証券に勤務。資産運用、経済分析全般、キャリアなどを中心に執筆、講演などで活動。「ファンドマネジメント」(きんざい)、「全面改定 第三版 ほったらかし投資術」(共著、朝日新書)、「マンガでわかる世界にただ一つの株式投資入門」(講談社)、「難しいことは分かりませんがお金の増やし方を教えて下さい」(共著、文響社)など著書多数。趣味は将棋(アマ四段)、囲碁、競馬など。

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