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ロシア政府系メディア「偉大なる敗北者・安倍晋三」報道に見えたプーチンの本音

礼賛一色、ロシアが伝えた安倍元首相の訃報

驚くなかれ。ウクライナ侵攻以来、ロシアを非難してきた安倍晋三元首相へのロシア政府高官たちの反応は、安倍元首相への手腕を褒め称えるものばかりだった。そして、現在の日ロ関係を破壊したのは、現首相・岸田文雄氏のせいだという。

一体これは、どういうことなのか。まずはロシアの真意を探っていこう。

安倍元首相は、首相在任中の8年間で、ロシア大統領との会談は過去最多の27回を数えた。また、両首脳はファーストネームで呼び合い、たびたび柔道の試合や練習を一緒に見学するなど、非常に温かい人間関係を保った。ロシアの政府系のニュースサイト「lenta.ru」によれば、こうある。

「安倍元首相は、ロシアに対してかなり現実的な政策をとり、経済協力の拡大に努めてきた。2016年には、医療、都市開発、中小企業、エネルギー、ロシアの産業構造の多様化、ロシア極東の輸出拠点づくり、先端技術、人道的交流の8項目の経済協力計画をプーチンに提示した。

同年、安倍首相はロシアの指導者を自分の故郷である山口県長門市の小さな町に招いた。プーチンはこの旅を気に入った。『特に今日は朝から雪が降っていて、とてもいい雰囲気です。そして、温かく迎えてくれた県や市の人々に感謝したい』と、安倍首相との会談でプーチンは語った」(2022年7月9日)

「ウラジミール、あなたと私は同じ未来を見ている」

安倍元首相がロシアの経済協力拡大に努めてきたとし、プーチン大統領との関係の深さを細かく列挙した。そして、ここに続く原稿が面白い。

「安倍首相は首相就任以来、一貫してロシアとの平和条約締結と南クリル諸島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)の領有権問題の解決を主張してきた。2018年には、日ロ首脳が1956年の日ソ宣言に基づく協議の強化に合意するなど、かなり前進することができた。

その文書では、講和条約締結後の親善の成果として、色丹と歯舞群島を日本に移譲することが想定されていた。ウラジオストクでの最後の会談で、安倍首相はプーチン大統領にこう呼びかけた。

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この記事の著者
小倉健一

1979年生まれ。京都大学経済学部卒業。国会議員秘書を経てプレジデント社へ入社、プレジデント編集部配属。経済誌としては当時最年少でプレジデント編集長就任(2020年1月)。2021年7月に独立。現在に至る。 Twitter :@ogurapunk、CONTACT : https://k-ogura.jp/contact

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