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茂木健一郎「オタクが『イケるでしょ!』と言っても、メタバースは成功しない」

瞬時の方向転換「ピボット」がビジネスの成否を決める

 フェイスブックがこれからは「メタバース」に注力する、そのような選択を示すために社名を『メタ』に変えると発表したのが2021年10月28日。それから1年経って、どうもうまくいかない可能性もあるという報道も出始めた。

 当時、すぐには収益が上がらなくてもよいと言っていた同社だが、先日発表されたメタバースの試作のクオリティがイマイチということもあり、果たしてメタバース路線は大丈夫なのかという動揺が広がっている。

 私は、メタバースがもしダメそうならば、さっさと方向転換をしてしまえばいいのだろうと思う。一度表明した目標だからそれに固執しなければならない、ということはない。一つの方向がダメだとわかったら、とっとと「ピボット」してしまえばいいのである。

 ここで言う、ピボットとは、バスケットボールのプレイでよく見られる、軸足を中心にくるくると回転して次の動作の方向を見定める技術である。転じて、ビジネスで方向性を即座に変えることをピボットと言うようになった。ビジネスにピボットが必要になったのは、時代がそう簡単に見通せなくなったからである。

 フェイスブックは、以前、「リブラ」という名前の「仮想通貨」あるいは「暗号資産」の計画を立てたことがある。名称は後に「ディエム」に変更されたか、変更される予定だったと記憶している。この計画も、あまりうまく進んでいない印象がある。もっとも、暗号資産全体がどうなるかわからない状況なので、フェイスブックだけの失策ではないが、なかなか世の中はうまくいかないものである。

早すぎた「セカンドライフ」…20年後、コンセプトを引き継いだ「メタバース」はいかに

 近年のテクノロジーの発展の歴史を見ると、当初の予想を超えて大きく成長した分野もあるものの、期待され、喧伝されながらあまり伸びなかった事例も多い。2003年に運営が開始され、現在の「メタバース」のいわば先行ケースとも言える「セカンドライフ」も、当時さまざまな可能性が期待されながらも、あまりうまくいかなかった。

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茂木 健一郎

1962年生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学院理学系研究科修了。クオリア(感覚の持つ質感)を研究テーマとする。

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