投資歴69年、億を動かす87歳のデイトレーダーがたどり着いた「株選定の3つのルール」日経平均は”3月に3万行くと思ったが…”

月に数億円単位のお金を動かす87歳の現役デイトレーダー藤本茂さん。おごることなく日々真正面から株と向き合い、決して守りには入らない。さまざまな投資の格言を身をもって経験し、勘や噂にもまどわされない。69年間株と対峙しつづけた藤本さんの、株との向き合い方とは――。
前編:「株が好きなんや」資産16億円、投資歴69年の87歳デイトレーダーが年を重ね”やめた投資”と”諦めた投資”
「買われたものを売り、売られたものを買う」
「おっ、これはまだ高くなるで」。パソコンのモニターに映る、上場したばかりの企業の株価の値動きを見ながら、藤本茂さん(87)がつぶやく。
モニター画面を注視し、刻々と株価を追い続けることが求められるデイトレード。体力的にも気力的にも決して楽な作業とは言えない上、成功し続けるのはプロのファンドマネージャーでも難しいと言われている。
そんなデイトレードを69年続け、資産を16億円まで膨らませた藤本さんも「ほんま大変やで。安易に初心者が手を出すものではない」と戒める。デイトレードは決して誰にでもできることではない。
藤本さんの株式売買の鉄則はいたってシンプルだ。「買われたものを売りに行く。売られたものを買いに行く。それだけや」と話す。ただし、それが難しい。
「明日安くなると思ったら、たとえきょう安くても売りにいかなあかん。そういう判断ができるかどうかが重要や」。配当月であっても「配当後、配当分を差し引いても下がる可能性が高い」と思えば躊躇(ちゅうちょ)なく売りに出す。「連休前で売られすぎている」と判断すれば即座に買う。
「何十年も株をやってたら、不自然に高くなってるものを見たら『これは見せ板やな』と大体はわかる。 もちろんそれでも、まだ落とし穴にはまるときもある。でもそれは向こうが巧妙に立ち回った結果。天才か詐欺師かというレベルや。そんなときは熱くなったらあかん」