爆発した金融倒産連鎖…インド人アナリストが衝撃「契約書より義理人情文化」が及ぼす日本の地銀への影響
「すわ、リーマン・ショックの再来か」と世界が見構えた米シリコンバレー銀行(以下、SVB)経営破綻劇。直後に世界的名門、クレディ・スイスでも経営危機が発覚するなど、15年前の金融危機の連鎖を懸念する声も小さくない。はたして、日本の金融機関は大丈夫なのか。今回の破綻劇が日本経済に及ぼす影響を、国際金融事情に精通するインド人経済アナリスト、スィンハ・サンジーヴ氏が独自の視点で解説する。
利上げでもたらされたSVB破綻劇…金融のグローバルスタンダードとは何だったのか
スタートアップ企業の支援に特化したSVBが3月10日、信用不安によって破綻しました。私自身、1996年にAIシステムの開発のために来日し、スタートアップ企業に勤めていた経験もあり、このIT業界にもたらした激震は他人事とは思えません。SVB破綻後、米国では多くの法人企業を顧客とするシグネチャー銀行が破綻。また富裕層を主な顧客とするファースト・リパブリック銀行も経営不安が顕在化し、JPモルガンなどに救済を仰いでいる状況です。
さらにクレディ・スイス・グループの経営危機も発覚。スイス政府は資金共有だけではなく、スイス最大手のUBSによる買収を支援し、買収に伴う損失に90億スイスフランの政府保証を与えるなど破格の条件を整えて、3月19日に買収に合意させました。