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新紙幣発行で預金封鎖と新2万円札の噂…「政府は税金無申告”タンス預金民”の炙り出し作戦へ」麻生が関心寄せる

 2024年に登場する新1万円札は、表に日本初の銀行や保険会社などを生んだ渋沢栄一氏、裏には「赤レンガ駅舎」として親しまれた東京駅が描かれ、日本経済の再興につなげたい政府の思いがにじむ。だが、高額紙幣は脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に使われやすく、世界の潮流は「廃止」にある。その流れに逆行する日本では、最高額紙幣の1万円札が消える日は来ないのか。経済アナリストの佐藤健太氏は「多くの国は『デジタル通貨』に向けた動きを加速しており、実現すれば変革が起きる。日本は1周遅れている」と指摘する――。

高額紙幣の廃止は世界の潮流だが…

 「今までも20年ごとに改刷を行うことによって偽造に対する抵抗力というものを確保しておくということから、(略)使用開始まで5年ぐらい要すると思っていますので、それが主たる理由というようにご理解いただければと思います」。2019年4月9日、新紙幣発行を発表した当時の麻生太郎財務相は記者会見で、偽造防止対策を改刷の主な理由にあげた。

 もちろん改刷が、偽造対策として一定の効果を生むのは言うまでもない。各国の高額紙幣は、発行と同時に偽札との闘いを余儀なくされ、対策を施した新紙幣を発行しても、すぐに進化した偽造技術によって「新偽札」が誕生するという “イタチごっこ” が続いてきた。このため、世界各地に大量の偽札が出回る基軸通貨の米ドルは、ローレンス・サマーズ元財務長官が100ドル紙幣の発行停止を提唱するなど、改刷よりも廃止に向けた議論が活発だ。

 高額紙幣の廃止は、世界の潮流と言える。たとえば、スウェーデンは2013年に1000クローネ紙幣の発行を停止。シンガポールは2014年に当時の世界最高額だった1万シンガポールドル紙幣の発行をやめ、欧州中央銀行(ECB)は500ユーロ紙幣の発行を2019年に停止した。

 インドの中央銀行は今年5月19日、最高額紙幣の2000ルピー紙幣の流通を9月末に停止すると発表している。こうした措置は、脱税やマネーロンダリングといった犯罪対策に加え、金融機関への預け入れや他紙幣との交換時に人々の資産を把握する狙いもあるのだろう。

「真の狙い」は預金封鎖か、家計に眠る”タンス預金”のあぶり出しか

 2024年に発行される新1万円札は、世界初の最先端ホログラム技術が導入され、高精細なすき入れを採用するなど、偽造防止対策もバッチリとされる。ただ、日本銀行券の場合は、それほど多く偽札事件は発生しておらず、ブラックマネーとしての価値も米ドルと比べれば低い。

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この記事の著者
佐藤健太

ライフプランのFP相談サービス『マネーセージ』(https://moneysage.jp)執行役員(CMO)。心理カウンセラー・デジタル×教育アナリスト。社会問題から政治・経済まで幅広いテーマでソーシャルリスニングも用いた分析を行い、各種コンサルティングも担う。様々なメディアでコラムニストとしても活躍している

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