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元ドイツ証券副会長「日経平均は年内4万円へ」海外投資家は日本市場に資金シフト!爆上がり予感の最強3テーマ

 元ドイツ証券副会長の武者陵司氏は『みんかぶマガジン』にて3月、日経平均が年内に3万5000円に達する可能性が高いと述べた。今のところ、要因も含めてその見立てはほぼすべて当たっていると言っていいだろう。ズバリ「予想的中」した武者氏に、2023年後半の日本経済について伺った。

目次

米中対決と円安がすべての要因で年内日経平均4万円

 端的に言って、今起こっている円安、日経平均株価の上昇などのほぼすべての原因は、米中対決です。

 その動きが始まったのは2021年4月の菅義偉元首相とバイデン米大統領の会談からです。1ヶ月後に自民党の半導体議連ができ、それから約5ヶ月後に台湾の半導体メーカーTSMCが熊本で工場を作ることが決まりました。これは、アメリカが中国依存のハイテク商品サプライチェーンを「大きく作り変えるんだ」というメッセージでした。経済以上に重要な安全保障上の要請によって起こったことなので、この動きはもう止まりません。

 そこから始まった大きな設備投資ブームが、今の日経平均株価の上昇トレンドを強力に支えています。

 中国のサプライチェーンを日本に移す。そのために今、アメリカ・日本の両政府が全力で力を注いでいます。中国を叩きたいアメリカにとって、日本が一番大事な国なんです。だから日本を円安のまま留めておいて、世界の工場を中国から日本に移し替えるというトレンドは揺るがず、今後しばらく続いていくはずです。

 もちろん、いまだに1ドル110円の円高状態が続いていたら、外人だって日本に来ないし、日本への投資もないし、日本企業も儲からないし、海外から日本に工場を動かすなんて話もなかったはずです。だからこそ、今の円安トレンドも揺るがない。アメリカの国益になることだからです。6月16日米国は為替監視対象国から唯一日本だけを外しました。日本の対米貿易黒字は680億ドルと全く変化していないにもかかわらず、また昨年大幅な為替介入をしたにも関わらずです。如何に米国が現在の円安を容認しているかがわかります。

 日本の経済的な復活は、まだまだ始まったばかりです。年内に日経平均3万5000円どころではなく、4万円まで上昇してもおかしくはない。

失われた30年の最大の要因はアメリカの日本叩きから起きた円高

 そもそも、バブル崩壊以降、日本経済が失われた30年に突入した最大の理由は、円高です。それもまた、アメリカによる日本叩きによって起きたことです。アメリカが自国産業を守るために、日本の電機・自動車産業などを徹底的に叩きにきた結果、円高になったわけですね。日本の半導体産業を叩き潰したのもアメリカです。

 そこで漁夫の利を得た中国・韓国・台湾が台頭してきた、というのがここ30年間だったわけです。今やアメリカが使ってる半導体の約7割はこの3カ国で作られていますよね。

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この記事の著者
武者陵司

株式会社 武者リサーチ代表。1973年 横浜国立大学経済学部卒業後、大和証券に入社。1988年大和総研アメリカでチーフアナリストとして米国のマクロ・ミクロ市場を調査。1997年ドイツ証券調査部長兼チーフストラテジスト。2005年ドイツ証券副会長を経て、2009年 株式会社武者リサーチを設立。2021年9月までドイツ証券株式会社アドバイザーを務める。『日経平均は4万円になる!』(宝島社新書)など著書多数。

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